【認知症治療薬】コリンエステラーゼ阻害薬の比較と薬物治療における注意事項(アリセプト・レミニール)

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医薬品

どうも、シンパパ薬剤師Kです。

今日は認知症治療薬で作用機序が同じ内服薬であるアリセプトとレミニールを比較していきます。

治療効果の効果

結論、リバスタッチを含むコリンエステラーゼ阻害薬の治療効果は概ね同程度で大差ないとされています。

用法、適応、作用機序

アリセプト(ドネペジル)は1日1回レミニール(ガランタミン)は1日2回服用です。

適応も異なり、アリセプトは軽度~高度なアルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症に使えますが、レミニールは軽度~中等度のアルツハイマー型認知症となっています。

現状、レビー小体型認知症に適応があるのはアリセプトのみです。

共通する作用機序はアセチルコリンエステラーゼを選択的に阻害であり、レミニールはそれに加えてニコチン性アセチルコリン受容体に対して、アロステリック増強作用を持ちます

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アロステリック増強作用とは、アセチルコリン受容体のACh接合部とは異なる部位(アロステリック部位)に結合して、アセチルコリン受容体にAChが接合した際の作用を増強する効果です。

このアロステリック増強作用のおかげで、レミニールはアリセプトに比べて薬剤耐性が生じにくいとされています。

代謝・注意事項

2剤とも主にCYPによって代謝され、3A4と2D6の寄与が大きい事が分かっています。
ですので、CYPを阻害したり誘導する薬物との併用には十分注意する必要があります。

また抗コリン薬との併用でお互いに作用を殺しあってしまい思わぬ効果が出なくなることも留意しましょう。

細かなルールは後述しますが、開始量から時間をかけて維持量まで増量していく薬剤です。
これらの薬剤は消化器症状が問題となる事も多いので焦らず患者の忍容性を見ながら増量していく必要があります。薬局でもしっかりと副作用の発現について確認していきたいところですね。

代謝や基本的な注意事項は大差ありません。

増量時のルール

アリセプト

・アルツハイマー型認知症
1日1回3mgから開始し、1~2週間後に5mgに増量。
高度の場合、5mgで4週間以上経過後に10mgに増量する。症状に応じて適宜増減。

・レビー小体型認知症
1日1回3mgから開始し、1~2週間後に5mgに増量。
5mgで4週間以上経過後に10mgに増量する。5mgまで減量できる。

レミニール

通常1日8mgを1日2回で開始し、4週間後に1日16mgまで増量する。
症状に応じて1日24mgまで増量できるが、増量する場合は前の用量で4週間以上投与する。

副作用

添付文書から承認時の副作用発現率を見てみましょう。
アリセプト

・軽度 及び 中等度のアルツハイマー型認知症:10.5%
・高度のアルツハイマー型認知症:44.3%
・レビー小体型認知症:48.8%

レミニール

・軽度 及び 中等度のアルツハイマー型認知症:57.9%

軽度~中等度のアルツハイマー型認知症に対するアリセプトの忍容性はかなり高いですね。
レミニールは承認時の発現率は高めですが、使用実績調査ではもっと少なくなっているとは思います。

主な副作用は嘔吐や下痢などの消化器症状ですが、アセチルコリンに作用するので不整脈などの循環器症状や錐体外路症状などにも気を付ける必要があります。

これらの薬を使うのは高齢者であるため、何かしらの疾患を併発している可能性が極めて高いです。
アセチルコリンの作用によって併発している疾患に影響が出るかもしれない事を本人や家族に伝えて、気になる事があればすぐに薬局若しくは病院に連絡するよう指導しましょう。

レビー小体型認知症は薬剤に対して過敏な事が多い

レビー小体型認知症では薬剤に対して過敏に反応してしまうケースが多いです。

その為、増量を慎重に行う事が重要なのはもちろんですが通常量まで増量しないという選択肢も重要です。忍容性が無い状態で薬が使えないとなっては薬の意味をなさないので、少なめでも副作用が出ない量で治療を続けることが重要です。

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