【薬剤師が解説】トライコア・ベザトール・パルモディアの比較

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医薬品

どうも、シンパパ薬剤師Kです。
今回はトライコア(フェノフィブラート)・ベザトール(ベザフィブラート)・パルモディア(ペマフィブラート)の添付文書を見ながら各薬剤の違いを見ていきます。

簡単な比較

・適応はどれも同じ
・1日1回のトライコア、1日2回のベザトール・パルモディア
・効果の出方に違いがある
・ベザトールは食事の影響なし、トライコアとパルモディアは食事の影響あり
・どれも腎障害時に投与制限がある
・パルモディアは併用禁忌の薬剤があるが、トライコアとベザトールは併用禁忌無し
・ワーファリンとクロピトグレルの併用に注意が必要

適応症

・トライコア:高脂血症(家族性を含む)
・ベザトール: 高脂血症(家族性を含む)
・パルモディア:高脂血症(家族性を含む)

適応症は3剤とも脂質異常のみですが、使用上の注意事項は多少異なります。

~適応について使用上の注意事項~
・トライコア:(1)総コレステロールのみが高い高脂血症(Ⅱa型)に対し、第一選択薬とはしないこと。
(2)カイロミクロンが高い高脂血症(Ⅰ型)に対する効果は検討されていない。
・ベザトール:特になし
・パルモディア:LDL-コレステロールのみが高い高脂血症に対し、第一選択薬とはしないこと。

ベザトールの添付文書には明記されていませんでしたが、臨床成績の項目にある分類ごとの改善率にⅠ型だけ記載が無かったのでⅠ型の治療については検討していない可能性が高いので注意。

用法

・トライコア:1日1回106.6mg~160mgを食後投与。適宜減量で1日160mgを超えない。
・ベザトール:1日400mgを2回に分けて朝夕食後に経口投与。腎機能に応じて減量する。
・パルモディア:1回0.1mgを1日2回朝夕に経口投与。適宜増減するが1回0.2mgを1日2回までとする。

ここで押さえたいのは、「トライコアの1日1回」という点と「パルモディアの食後でなくてもOK」という点ですね。

~トライコアの用法の注意事項~
(1)総コレステロール及びトリグリセライドの両方が高い高脂血症(IIb及びIII型)には、1日投与量を106.6mgより開始すること。なお、これらの高脂血症患者において、高血圧、喫煙等の虚血性心疾患のリスクファクターを有し、より高い治療目標値を設定する必要のある場合には1日投与量を159.9mg〜160mg)とすること。 159.9mgは53.3mg錠を3錠、160mgは80mg錠を2錠用いる。
(2)トリグリセライドのみが高い高脂血症(IV及びV型)には、1日投与量53.3mgにおいても低下効果が認められているので、1日投与量を53.3mgより開始すること
トライコア添付文書より抜粋

トライコアは脂質異常症のタイプによって投与量が異なるので注意が必要です。

効果の出方の違い

ベザトールとトライコアはTG低下に加えてLDL低下とHDL上昇効果があり、パルモディアはTG低下作用に加えてHDL上昇効果はあるがLDLは減少させない(むしろ増加する)可能性があります

簡単に纏めるとTG低下作用はパルモディアが強く、LDLとHDLの変化はベザトールとトライコアの方が強く出ます。
ベザトールとトライコアの強さはほぼ同等と考えて良さそうです。

食事の影響

・トライコア:空腹時<食後(空腹時だと食後に比べてAUCが約79%に減少する)
・ベザトール:食事の影響ほぼ無し
・パルモディア:空腹時>食後(食後だと空腹時に比べてAUCが約90%に減少する)

1日1回でいいトライコアは空腹時投与で若干AUCが下がってしまうので夕食後が無難ですかね。(朝は食べない人もいるし、昼は出先で薬を持ち歩いてない事が多い為)
パルモディアは食事の影響があるものの大きな影響はないので気にしなくてもよさそうです。

腎障害時の投与制限

・トライコア
→血清クレアチニン値が1.5mg/dL以上2.5mg/dL未満の場合は53.3mgから投与を開始するか、投与
間隔を延長して使用すること
血清クレアチニン値が2.5mg/dL以上(Ccr40未満)で禁忌

・ベザトール
→血清クレアチニン値が1.5mg/dL以下(Ccr60以上)の場合には投与量400mg/日(200mg×2)、1.5~2.0mg/dL(50<Ccr<60)の場合には投与量200mg/日(200mg×1)
血清クレアチニン値が2.0mg/dL以上(Ccr50未満)で禁忌

・パルモディア
→血清クレアチニン値が2.5mg/dL未満(Ccr40以上)の場合は通常量が投与可能
血清クレアチニン値が2.5mg/dL以上(Ccr40未満)で禁忌

肝障害時の投与制限

・トライコア
→重症度を問わず肝障害のある患者は禁忌

・ベザトール
→肝障害時の投与制限はない

・パルモディア
→重篤な肝障害のある患者は禁忌

併用禁忌

トライコアとベザトールは併用禁忌無しですが、パルモディアには併用禁忌の薬剤があります。

パルモディアはシクロスポリンリファンピシン併用禁忌です。
シクロスポリンとの併用でAUCが約13倍、リファンピシンとの併用でAUCが約10倍になるため併用禁忌です。
禁忌ではありませんがクラリスロマイシンとクロピトグレルとの併用でパルモディアのAUCが約2倍になります。
クロピトグレルは併用する可能性が高い薬剤なので、併用による横紋筋融解症のリスクをしっかりと頭に入れておきましょう。

ワーファリン服用患者はパルモディアが適している

クロピトグレル服用中の場合はパルモディア以外の薬剤の方がベターですが、ワーファリン服用中の場合はパルモディアの方が適しています
ワーファリンはトライコアとベザトールと併用することで抗凝固作用が強くなることが報告されているからです。

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