【経口コロナ治療薬】危険?ラゲブリオの有効性と副作用は?耐性は無いのか?

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医薬品

どうも、シンパパ薬剤師Kです。

今回はラゲブリオの有効性と副作用、そして耐性について調べていこうと思います。
ラゲブリオの用法や注意事項などの基本情報はこちらを参考にしてください。

有効性

まずは「そもそもどれだけ効果があるん?」という疑問を解決していきましょう。
添付文書のデータを見ていきましょう。

国際共同第Ⅲ相試験において、18歳以上のコロナ陽性患者に1回800mg1日2回5日間投与後29日間までの入院又は死亡数を評価項目としています。

 モルヌピラビル群 
(385例) 
 プラセボ群 
(377例) 
無作為化29日目までの
理由を問わないすべて
の入院又は死亡
28
(7.3%)
53
(14.1%)
    入院28
(7.3%)
52
(13.8%)
    死亡
(0%)

(2.1%)

このデータをみると重症化を結構抑制しているように思いますね。

一緒に添付文書に載っている無作為に割り当てられた1433例を補足的な解析の結果は、イベント発生率がモルヌピラビル800㎎群:6.8%プラセボ群:9.7%でした。

今後の日本国内での実臨床でどれだけ効果が出るか分かりませんが、このデータを見る限り重症化の抑制にはなりそうですね。

副作用

効果があるのは分かったとして、投与するリスクはどうなのでしょうか?
副作用が多いのであれば治療効果とのバランスが悪くなってしまい、実臨床で使いづらいお薬になってしまいます。
添付文書の副作用を見たところ、副作用は思ったより報告されていませんでした。

1%~5%の頻度で報告されているのが下痢、悪心、浮動性めまい、頭痛で、
1%未満の頻度で報告されているのが嘔吐、発疹、蕁麻疹です。

イヌに対しては骨髄毒性が認められている

他の動物では認められていないようですが、イヌでのみNHCによる回復性のある骨髄毒性が認められています
臨床暴露量の0,4倍という少ない量で、造血性細胞に悪影響があるようです。
モルヌピラビルを7日間投与した際に、血球系細胞数 及び 血小板数に軽度の減少がみられ、14日間の投与で重度の変化がみられたと添付文書に記載があります。

実際人に投与する場合も5日間ですし、イヌにだけみられたという事なのでマウスやモルモットなどでは骨髄毒性がみられていないでしょうし、人への影響は考えにくいかな?

ベネフィット優勢か

実際の症例数が少ないのでなんとも言い切れない所はありますが、先ほどの有効性と副作用の頻度を見た感じリスクとベネフィットを考えるとベネフィットが優勢かなと個人的には思います。

長期的なリスクが分からないのですが、50歳以上の妊活をしない世代であれば重症化のリスクも考慮して投与に対して積極的でも良いのかなと思います。

耐性があるので要注意

ここまでの話だと、リスクより投与の有効性が優勢ですが耐性を誘導る可能性が示唆されていますので適切な使用が必要になってきます。

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対しての耐性は検討されていないのですが、他のコロナウイルスでは細胞培養系で30回継代した結果、2倍程度の感受性の低下が認められています

耐性を気にせずに使用して後で「やっぱ耐性が生じるみたいだわ」と言われても対応に困りますが、逆に「耐性が生じると思ってたら耐性は生じませんでした~。」であればなんの問題ありません。
新型コロナで検討されてはいませんが、新型コロナウイルスでもモルヌピラビルに対して耐性が生じると考えたほうが良いでしょう。

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