今回はケトン体についてまとめていきます。
糖尿病の場合、GLUとHbA1cばかり気にしてしまいますがケトン体を調べることも重要な役割を持っていますし、少し前から流行っている糖質制限ダイエットでもケトン体に影響を与えるのでケトン体がどういったものかおさらいしておきましょう。
ケトン体とは
ケトン体とは脂質がエネルギーとして使われたときに脂質の主成分である脂肪酸がβ酸化して産生される物質です。アセト酢酸、アセトン、βヒドロキシ酪酸の総称で、主に検査で検出されるのはアセト酢酸です。
基本的な知識として「ケトン体は脂質がエネルギーとして使われたときに作られる」と覚えておけばOKです◎
ケトン体が高くなる原因
ではケトン体が高くなる原因とは何でしょう?
先ほど覚えた「ケトン体は脂質がエネルギーとして使われたときに作られる」という事から、「何かしらの原因で糖質ではなく脂質がエネルギーとして使われている」という事です。
別に脂質が使われているなら悪い事じゃなくない?って思いますよね。ですが、脂質がエネルギーとして使われているのは「糖質をエネルギーとして上手く使えていない状態」なのです。
糖質をエネルギーとして上手く使えていない原因≒ケトン体が高くなる原因と考えて差し支えなく、以下が主にケトン体が高くなる原因です。
~ケトン体が高くなる原因~ ・糖尿病 ・過度なダイエット、激しい運動 ・糖質制限、高脂肪食 ・妊娠高血圧 ・甲状腺機能亢進症
脂質はエネルギー効率が悪い
脂質をエネルギーとして使う分には特に何も悪くないように思えますが、脂質をエネルギーとして使うためには糖質の10倍以上酸素が必要になります。
糖質制限ダイエットが流行っていますが体への負担はそれなりにありますし、糖質制限に加えて運動なんかしたら酸素が足りずに必要なエネルギーを産生出来ず体調が悪くなるので要注意です。
特に運動している人はエネルギー効率の良い炭水化物(糖質)をしっかり摂ることを意識しましょう。
ケトン体が多いとどうなる?
血中のケトン体が多いと「ケトーシス」という状態になります。
この状態になると主に消化器症状(吐き気、下痢、腹痛など)が起き、さらにケトン体が増えると血液が酸性に傾き「ケトアシドーシス」という状態になります。
このケトアシドーシスは相当酷い状態でないとなかなか起きませんが、1型糖尿病の方はインスリン分泌が無いためケトアシドーシスの危険性があります。2型糖尿病でもインスリン分泌低下患者、インスリン抵抗性患者でケトアシドーシスのリスクはありますので、糖尿病の治療経過を判断する材料としてもケトン体は有益です。
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