【α1受容体遮断薬】タムスロシン・シロドシン・ナフトピジルの違いとは

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医薬品

どうも、シンパパ薬剤師Kです。

今回は排尿障害で良く用いられるα受容体遮断薬のタムスロシン(ハルナール)・シロドシン(ユリーフ)・ナフトピジル(フリバス)の違いについて解説していきます。

適応

適応は3剤とも共通で「前立腺肥大症による排尿障害」のみです。

受容体

α受容体にはサブタイプがあります。
前立腺に関与するのは、α1Aα1D受容体です。
α1Bは主に血管に分布しています。
受容体への親和性は、

タムスロシンα1Aα1D=3:1→α1Bも含めて全体的に遮断シロドシンα1Aα1D=55:1→めちゃくちゃα1A優位ナフトピジルα1Aα1D=1:3→α1D優位
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この受容体への親和性で薬の強さの傾向が決まる訳ではありません。

病態や個人の受容体の数に合う合わないがあります。
効果がいまいちだった場合は、薬を変更する事で大きな効果を得られる可能性があります。

α1D受容体は膀胱で多い

膀胱にはα1D受容体が多く発現しています。
夜間頻尿にはα1D受容体が大きく関与するので、排尿障害なのに夜間頻尿などの症状を感じる患者にはナフトピジル(フリバス)が合っているかも。排尿障害を改善しつつ夜間頻尿を改善したデータもあります。

α1A受容体は輸精管や消化管にも分布

α1Aは膀胱以外にも分布しているので、α1A受容体を強く遮断するシロドシン(ユリーフ)は、射精障害・下痢などの消化器症状が副作用として現れやすいです。

ガイドラインでの推奨度

ガイドラインでの推奨度は3剤とも「A」評価です。
というより、α1受容体遮断薬が基本「A」評価です。
治療薬で他にA評価なのは、ホスホジエステラーゼ5阻害薬のタダラフィル(ザルティア)と5α還元酵素阻害薬のデュタステリド(アボルブ)です。

食事の影響

タムスロシン・シロドシン・ナフトピジルは食事の影響を受けて、空腹時に比べ吸収が阻害されます。

食後のAUCは空腹時に比べて、タムスロシンはおよそ80%程度に、シロドシンは95%程になります。
ナフトピジルは添付文書上で「食事による吸収への影響は少なかった」という記載はあります。
Tmaxは空腹時0.75時間から2.2時間まで延長しますが、AUCはほぼ変化しないので「影響は少ない」と考えられます。

まとめ(一覧表)

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受容体への親和性で副作用も個性が出ますが、血圧低下などによるめまいなどは共通しています。

運転はしても大丈夫ですが、3剤ともめまいなどが発生する可能性を説明して注意するように指導しましょう。

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