どうも、シンパパ薬剤師Kです。
ラゲブリオの安定性
ラゲブリオは錠剤の容器は空け方に癖があり上手く開けられない方が続出しています。
一回に飲む個数も多いので一包化してお渡し出来たら患者さんも助かると思います。
ラゲブリオのHPを確認したところ、一包化は問題なさそうです。
基本的には、ボトル包装単位での処方が推奨されます。
ラゲブリオ 製品Q&Aより引用
ただし、無包装安定性試験により、90日まで安定である結果が得られています。
実際のご使用にあたっては、各ご施設でご判断ください。
あくまでもメーカー推奨はボトル単位ですが、無包装でも90日間の安定が確認されていますので5日間で飲み切りを考えればボトルから出しても問題ないという認識で大丈夫です。
開け方が不安な患者さんは蓋を閉めなくてもOK?
無包装で90日間安定だという事を考えると必ずしも蓋をしっかり閉める必要はなさそうです。
「開けるのに結構力がいるのね」という患者さんがちらほらいるので、開け方に不安がある場合は蓋を乗っけるだけという保管方法も選択肢としてはアリかもしれません。
完全に開けっ放しは埃の混入など衛生的に良くないと思うのでやめましょう。
一包化は可能なのか
前項で軽く触れましたが一包化自体は施設の判断なので可能ではあると思います。
ただ、分包機の使用については次のような回答があります。
分包機を用いた一包化は実施した経験はなく、データも無いため、基本的には分包機の使用はおすすめしていません。
ラゲブリオ 製品Q&Aより
なお、臨床試験においては手作業による分包のみ許容されていました。
実際のご使用にあたっては、各ご施設でご判断ください。
分包機の使用に関しては微妙な回答です。
どの施設も分包するとなると分包機を使う事になると思うのですが、どうやら臨床試験では手作業で行っていたそうです。
分包機の何が問題かというと恐らく分包機による熱が製品に影響を与えないか否かという事だと思います。
添付文書によるとラゲブリオのカプセルは硬カプセルで、材質はヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)です。
ヒプロメロースの融点は230℃くらいですので分包機の熱では溶けなさそうですよね。
しかも分包機で分包中に薬剤が暖かくなる時間はそう長くないので硬カプセルであることを考えると薬剤に影響を与えるとは考えにくいのではないかと思います。
この辺は薬剤のプロである我々薬剤師の判断で一包化を行う事は可能ではないかと思います。
脱カプセルは可能なのか
脱カプセルについてのメーカー回答はこちらです。
本剤を脱カプセルや懸濁、簡易懸濁して投与することは、十分に検討したデータがないため、やむを得ない場合を除き、おすすめしていません。
ラゲブリオ 製品Q&Aより
最近まで「データが無いし承認用法と異なるから推奨しませんよ。」という旨の記載だけだったんですが、使用実績があるようで少し記載が増えていました。
使用経験を簡単にまとめると、
・脱カプセルして水に溶かしてから水剤として内服 ・脱カプセルして水に溶かしてから経鼻胃瘻で投与 ・脱カプセルして水に溶かしてから経口胃瘻で投与 ・水剤の内服も胃瘻もカプセル剤を投与した場合と血中濃度、暴露量が同等だった。 ・脱カプセルした粉末状態では経口投与していない (2022年2月18日現在)
という感じです。
徐々にデータが増えてきているので定期的に製品Q&Aをチェックしたほうが良さそうです。
まとめ
~今回のまとめ~ ・ラゲブリオは無包装で90日間安定 ・一包化可能だが、分包機の使用は微妙(多分大丈夫) ・脱カプセルは可能。脱カプセル後は水に溶かしてから服用した実績あり
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