メインテートからアーチストに切り替える時の用量と注意事項

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医薬品
《今回のPOINT》
・切り替え時の用量は?
 →アーチストメインテート4~5
・気管支喘息を併発している場合は切り替え不可
・アーチストに変えた場合は脈拍数が増えるかも
・起立性低血圧に注意しよう

メインテート(ビソプロロール)が深刻な在庫不足になっており、アーチスト(カルベジロール)への変更が必要な状態です。
今回はその切り替えの際の注意事項をまとめてみました。

カルベジロールとビソプロロールについて詳しく比較した記事も書いてますので良かったら併せて読んでください。

用量について

切り替える際に最も重要なのは、適切な用量ですね。

ビソプロロールのβ受容体遮断作用は同用量の場合、カルベジロールの4~5倍と言われています。
カルベジロールへ切り替える際はそれを目安に切り替えを行えばOKです。

心不全に用いる場合は量が多すぎると必要以上に心機能を押さえつけてしまうので少な目から始めて増量していく方法でも良いかもしれません。

切り替え時の注意事項

2剤ともISA(ー)で似た作用を持つ薬剤ですが、受容体選択性などによって切り替え時に注意すべき点がいくつかあるので代表的なものだけは最低限抑えておきましょう。

気管支喘息への適応

アーチスト(カルベジロール)はβ受容体選択性が無いので気管支喘息患者へ禁忌となっています。
気管支喘息と心疾患を併発している患者さんには優先的にメインテートを使ってあげられるように門前のDrとお話ししておくといいでしょう。

心拍数、心収縮力への影響

メインテートとアーチストはともにISA(ー)ですが、陰性変時作用と陰性変力作用が異なるため注意が必要です。
陰性変時作用も陰性変力作用もメインテートの方が強いとされています。

・陰性変時作用→心拍数、神経伝達の速度を減少させる作用
・陰性変力作用→心収縮力を低下させる作用

簡単に言うとメインテートの方が心臓を休ませる力が強いという事です。

ですのでメインテートからアーチストに切り替えた際は心拍数の上昇、血圧の上昇に注意を払う必要があります。

起立性低血圧の可能性

アーチストはα受容体遮断作用があるので起立性低血圧の可能性がメインテートより高いです。
メインテートで忍容性のある用量でもアーチストに切り替えた際に副作用が出る可能性を考慮して患者さんに指導しましょう。

前述しましたが、2剤の比較についても記事にしてますのでぜひ確認してください。

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