リウマチにおけるメトトレキサート(MTX)診療ガイドラインより使い方を簡単に解説してみた!

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どうも、シンパパ薬剤師Kです。

昨日リウマチ患者にメトトレキサート(MTX)を開始する場合の投与方法について問い合わせがあったので焦って調べたので、今回は「関節リウマチ治療におけるメトトレキサート診療ガイドライン2016」をかみ砕いてまとめていこうと思います。

適用を考慮するケース

まずはリウマチ患者においてどういったケースにメトトレキサートの投与を考慮するかをガイドラインを確認すると、

・関節リウマチと診断されて予後不良と思われる患者に対して、リスクとベネフィットを鑑みて第一選択としてMTXを投与する。
・他の従来型の抗リウマチ薬を2~3か月以上継続投与しても治療目的に到達しない場合、積極的にMTXへの変更 or MTXの追加併用投与を考慮する

他の薬があまり効かなかった場合は勿論ですが、患者の状態によっては第一選択として投与することも可能という事がポイントですね。

投与開始前のスクリーニング

MTXを投与するにあたってチェックすべきポイントは以下の通りです。、

・RA活動性評価
・MTXの副作用危険因子の評価に必要な問診と診察
・末梢血検査、赤沈
・一般生化学検査
・免疫血清学検査
・胸部X線検査
・肝炎ウイルス&結核のスクリーニング検査
K
K

事前にチェックしないといけない項目が多いですね。

用法用量

1週間当たりのMTX投与量を1~3回に分割して12時間間隔で1~2日間かけて投与します。
全量を1回で投与することも可能ですが、8mg/週以上の場合は分割する方がベターです。

関節リウマチ治療におけるメトトレキサート診療ガイドライン2016より

MTXの開始量は通常6~8mg/週を経口投与です。
患者背景を考慮して投与量を決定しますが、予後不良因子を持っている非高齢者は8mg/週で開始することが推奨されています。

逆に下記の副作用危険因子がある患者には2~4mg/週で開始し葉酸と併用しながら慎重に増量していきます。

~副作用危険因子~
・高齢者
・低体重
・腎機能低下
・肺病変(+)
・アルコール常飲
・NSAIDs複数内服

増量法

増量はMTX投与後4週間経過しても治療目標に到達しない場合に考慮します。
通常、増量は2mg/週ずつ行いますが、予後不良の非高齢者の場合は2週間ごとに2mg or 4週間ごとに4mgずつ増量可能です。

副作用危険因子が無く忍容性があれば10~12mg/週まで通常増量しますが、効果が不十分であれば16mg/週まで増量可能です。

併用療法

MTXを十分量投与したにも関わらず効果不十分例に対して他の抗リウマチ薬との併用は可能です。
併用時も用量は単剤の時と変わらず16mg/週まで増量可能です。
ただし、感染症リスクのある症例では生物学的製剤併用時にはMTXの減量を考慮します。

禁忌・慎重投与

投与禁忌は以下の通りです。

~禁忌~
・妊婦または妊娠している可能性のある患者(授乳婦も)
・本剤に対して過敏症の既往歴
・重症感染症を有する患者
・重大な血液、リンパ系障害を有する患者
・肝障害を有する患者(B肝、C肝、ウイルス性肝炎、肝硬変、重大な肝障害)
・高度な腎障害を有する患者(透析患者、GFR≦30mL/min/1.73m2)
・胸水、腹水が存在する患者
・高度な呼吸器障害を有する患者

慎重投与例とその対応に関してはガイドラインの表をお借りしてきました。

関節リウマチ治療におけるメトトレキサート診療ガイドライン2016より

葉酸の使い方

葉酸は肝障害や消化器症状、口内炎の対策として併用が推奨されています。
MTXの投与量が8mg/週を超えてくるケースや副作用のリスクが高い高齢者、腎機能低下例では葉酸の併用が強く推奨されています。

投与方法はMTX投与後24~48時間後の朝に投与します。
先程載せたMTXの投与法の表に葉酸の投与のタイミングも書いてあるのでそれを見るのが1番分かりやすいと思いますが、MTXを最後に飲んだ次の次の日の朝(丸一日空ける)と覚えておけばOKです。

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