ネリプロクト軟膏とボラザG軟膏の違いは?

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医薬品

どうも、シンパパ薬剤師Kです。

今日は痔の治療薬であるネリプロクト軟膏とボラザ軟膏の違いについて解説していきましょう。

簡単な違い

・ネリプロクト軟膏はステロイド含有(ボラザGはトリベノシド含有)
・効能・効果が違う
・1本の量(規格)が違う
・リドカインの量が違う
・治癒効果はネリプロクト軟膏、鎮痛作用はボラザG軟膏が優れている

個人的に抑えておきたい重要ポイントだけ列挙しました。
これらを掘り下げて紹介していきます。

ステロイドと非ステロイドの違い

ネリプロクト軟膏はステロイドの中で very strong に分類されるジフルコルトロン吉草酸エステルを含みますが、ボラザGに含まれるトリベノシドはステロイドではありません

ジフルコルトロン吉草酸エステルは強めのステロイドなので、ステロイドではないトリベノシドに比べて抗炎症作用が強いです。

トリベノシドの特徴は抗炎症作用に加えて、鎮痛作用と創傷治癒促進作用があるという点です。

効能・効果の違い

有効成分が違うので効能効果にも違いがあります。

ステロイド含有のネリプロクト軟膏の効能・効果は「痔核に伴う症状(出血、疼痛、腫脹)の緩解」のみで所謂「いぼ痔などの切れ痔以外の痔」に使えますが、トリベノシド含有のボラザGの効能・効果は「裂肛に伴う症状(出血、疼痛)の緩解」もあるので「切れ痔を含むほとんどの痔」にも使えます。

1本の量(規格)が違う

ネリプロクト軟膏とボラザG軟膏は同じようなお薬なので特に気にしていなかったのですが、実は1本あたりの量が異なります

ネリプロクト軟膏は1本2gと10gの規格があります。
ボラザG軟膏は2.4gのみとなっています。

ネリプロクト軟膏の用法は「1日2回肛門内に注入」なので、10gのネリプロクト軟膏はあまり使われていません。

リドカインの量が異なる

ネリプロクト軟膏もボラザG軟膏も局所麻酔薬のリドカインが含まれていますが含まれている量は異なります。
ネリプロクト軟膏は1本(2g)中40mg含まれており、ボラザG軟膏は1本(2.4g)中54.2mg含まれています。
1g中に直すと、ネリプロクト軟膏は20mg/g で ボラザG軟膏は22.58mg/g なのでボラザG軟膏の方がリドカインの濃度は高いです。

治癒はネリプロクト軟膏、鎮痛はボラザG軟膏

ここまで紹介したことをおさらいすると、ネリプロクト軟膏は強いステロイドが含まれていて、ボラザG軟膏は炎症作用・鎮痛作用・創傷治癒促進作用がある薬剤です。
両方に含まれるリドカイン含有量は 「ネリプロクト軟膏<ボラザG軟膏」 です。

これらの情報からリドカインが多く含まれてる事とトリベノシドが鎮痛作用を持つ事を考えるとボラザG軟膏の方が鎮痛作用は高いと予想できますが、治癒効果はどちらが上なのでしょうか。

両方の添付文書に症状の改善率が載っているので比べてみました。

改善例数/症例数改善率
ネリプロクト軟膏内痔核95/13172.5
外痔核25/25100
ボラザG軟膏内痔核140/19870.7
外痔核40/5869
添付文書を参照して表を作成

やはり強いステロイドを含むネリプロクトの方が痔を改善させる能力は高いようです。
(切れ痔の場合を除く)

痛みが強い時はボラザG軟膏を優先させ、痛みに忍容性がある場合はネリプロクト軟膏が基本線という感じで良さそうですね。

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