どうも、シンパパ薬剤師Kです。
今回は心疾患に用いられるCa拮抗薬についてまとめていきたいと思います。
この記事でメインに取り扱うのはジルチアゼム(ヘルベッサー)とベラパミル(ランデル)です。
心疾患に用いられるCa拮抗薬
高血圧で良く使われるCa拮抗薬ですが、心疾患に対して適応がある薬もあります。
疾患名 | 適応のある薬剤 |
狭心症 | アムロジピン エホニジピン ニフェジピン ニソルジピン ニトレンジピン ベニジピン ジルチアゼム ベラパミル ベプリジル |
頻脈性不整脈 | ベラパミル ベプリジル |
高血圧に適応が無いのは不整脈に使えるベラパミルとベプリジルだけで、他のCa拮抗薬は高血圧に使えます。
基本的にCa拮抗薬は攣縮による狭心症や不整脈に対して高い効果があるとされていますが。ジヒドロピリジン系は冠攣縮性狭心症に対して治療効果が低いという見解もあるので攣縮性狭心症などの心疾患に対して用いる場合はベンゾジアゼピン系Ca拮抗薬であるジルチアゼムやベラパミルが選ばれます。
Ca拮抗薬は腎臓の機能による用量調節が不要!?
Ca拮抗薬は肝臓での代謝がメインの薬剤ばかりなので腎機能による用量調節が不要なのも覚えておきたい特徴です。
ジルチアゼムの特徴
ジルチアゼム(ヘルベッサーR)は半減期13時間程度の1日1回で良い徐放性製剤です。
食事の影響もなく、グレープフルーツジュースの影響もないとインタビューフォームに記載があります。
服用タイミングの縛りもないので確実に飲み忘れないタイミングで服用するのがベストですね。
適応は高血圧と狭心症ですが、主に狭心症に対して用いられます。
心筋収縮力と脈拍を低下させる作用があるので頻脈傾向の患者に適しています。
心機能を低下させてしまうので重篤な心不全やⅡ度以上の房室ブロック、洞房ブロックには禁忌です。
ベラパミルの特徴
ベラパミル(ワソラン)は半減期が2時間程度の1日3回服用する薬剤です。
血管選択性が低く血圧を下げる作用は弱いですが、心臓への選択性が強いので狭心症や不整脈、心筋梗塞など様々な虚血性心疾患に適応があります。
ジルチアゼム同様、重篤な心不全やⅡ度以上の房室ブロック、洞房ブロックには禁忌です。
食事の影響はほとんど無いので食事を摂らない時でも服用可能ですので、攣縮が起きないようにしっかりと服用するように指導しましょう。
ジルチアゼムとベラパミルの違い
同じCa拮抗薬でともにレートコントロールに用いられますが適応や選択性が異なる薬剤です。
共通の適応である狭心症に対しては脈拍はどうか、血圧はどうかで使い分けされていると思います。
ベラパミルは心臓選択性が高いため徐脈作用が強く出る特徴があり単剤での使用はあまり見られません。
一方、ジルチアゼㇺはベラパミルほど強く脈拍に影響を与えないのでベラパミルより使いやすいような印象を受けます。また1日1回で良いのも大きなメリットですね。
頻脈傾向の高血圧にはジルチアゼムが選ばれ、あんまり血圧が高くないけど脈拍を落としたいときにベラパミルが選ばれたりするようです。
コメント