どうも、シンパパ薬剤師Kです。
今回は医療用のニキビ治療薬についてまとめていきます。
配合剤もあって混同してしまいがちなので、頭の中を整理する用にまとめていきます!
ニキビ治療薬の種類
まず、今回まとめるニキビ治療薬を列挙します。
・ディフェリンゲル(GE:アダパレンクリーム/ゲル)
・ベピオゲル(GEなし)
・ダラシンTゲル(GE:クリンダマイシンゲル)
・エピデュオ(ディフェリンとベピオの配合剤・GEなし)
・デュアック(ダラシンとベピオの配合剤・GEなし)
他にもニキビ治療薬として抗生物質の外用剤がありますが、今回はこの5点をまとめていきます。
ディフェリンゲル(一般名:アダパレン)
ディフェリンゲル(一般名:アダパレン)の作用機序は、「レチノイン酸受容体に親和性を有し、遺伝子転写促進化が誘導された。」と記載がありますが簡単に言うと「毛穴のつまりを取り除きます」ってことです。
ニキビは毛穴が詰まって炎症を起こすのでシンプルな薬効です。
・用法は1日1回就寝前で、お風呂上がりのスキンケアをした後に塗ります。
→顔のニキビにだけ使えます。体のニキビには使えません。
・保存方法は室温(1~30℃)で、凍結させないようにする事。
・妊婦さん、授乳婦さんは使わないように注意!
→妊婦さんは禁忌です。使用する事で危険と言うよりはデータがないから使わないでねって感じです。
・主な副作用は、刺激感・落屑・紅斑・乾燥・かゆみなど。
→副作用が気になる場合は、使い始めは少量から始めると良いです。
・日光に対して敏感になります。
→お薬が顔に付いたまま日光を浴びると、日光が刺激になり肌が荒れてしまう事があります。お薬を落としてから外出しても日光に対して敏感になりやすいため、陽射し対策をしましょう!
べピオ(一般名:塩化ベンゾイル)
べピオ(一般名塩化ベンゾイル)の作用は、ラジカルによる殺菌作用と角層剥離作用です。
殺菌作用により、アクネ菌などのニキビの原因菌を殺し、角層剥離作用によって毛穴のつまりを解消します。
・用法は1日1回就寝前で、お風呂上がりのスキンケアをした後に塗ります。
→目や唇、その他粘膜及び傷口には使用しない事。ディフェリンと異なり体にも使えます。
・保存方法は冷所(25℃以下)で、凍結させないようにする事。
→冷蔵庫で保存することをお勧めしています!
・妊婦さんにはデータなし、授乳婦さんは使ってもお子さんに有害な影響は増加する報告はない。
→データは少ないけど、お子さんに有害ではないだろうという感じですね。
・主な副作用は、刺激感・落屑・紅斑・乾燥・かゆみ・脱色など。
→副作用が気になる場合は、使い始めは少量から始めると良いです。
ディフェリンと異なる副作用が脱色です。眉毛や前髪、寝具につかないように気を付けましょう。
・日光に対して敏感になります。
→お薬が顔に付いたまま日光を浴びると、日光が刺激になり肌が荒れてしまう事があります。お薬を落としてから外出しても日光に対して敏感になりやすいため、陽射し対策をしましょう!
ダラシンTゲル(一般名:クリンダマイシン)
ダラシンは上の2剤と異なり、抗生物質の外用剤です。
ディフェリンやベピオと併用されることも多いお薬です。
ディフェリンやベピオで毛穴のつまりを解消して、ダラシンTゲルで毛穴の中の菌を殺すことで効果的な治療が期待できます。
・用法は1日2回朝と就寝前で、洗顔→スキンケア→ダラシンの順に塗ります。
→ダラシンも体に使えますが、耐性菌の問題があるのでだらだらと継続しない!
・保存方法は室温(1~30℃)で、凍結させないようにする事。
・妊婦さん、授乳婦さんに対してデータはなし
→使用しても問題なさそうですが、添付文書上は「使用しないほうが望ましい」となっている。
・主な副作用は、刺激感・紅斑・乾燥・かゆみなど。
→ディフェリンやベピオほど頻度は高くない。
・アラントインが含まれており、肌に優しい作りになっている。
エピデュオゲル(ベピオとディフェリンの配合剤)
エピデュオゲルはベピオとディフェリンの配合剤にあります。
基本的な注意事項は、上で説明した2剤を掛け合わせたものになりますが、保存は常温で大丈夫です。
・用法は1日1回就寝前で、お風呂上がりのスキンケアをした後に塗ります。
→目や唇、その他粘膜及び傷口には使用しない事。顔のニキビにだけ使えます。(ディフェリンが入っているのでディフェリンと同じ)
・保存方法は室温(1~30℃)で、凍結させないようにする事。
・妊婦さん、授乳婦さんは使わないように注意!
→妊婦さんは禁忌です。
・主な副作用は、刺激感・落屑・紅斑・乾燥・かゆみ・脱色など。
・日光に対して敏感になります。
デュアック(ベピオとダラシンの配合剤)
デュアックはベピオとダラシンの配合剤です。
・用法は1日1回就寝前で、お風呂上がりのスキンケアをした後に塗ります。
→目や唇、その他粘膜及び傷口には使用しない事。体にも使えます。
・保存方法は冷所(25℃以下)で、凍結させないようにする事。
・妊婦さんにはデータなし、授乳婦さんは使ってもお子さんに有害な影響は増加する報告はない。
→データは少ないけど、お子さんに有害ではないだろうという感じですね。
・主な副作用は、刺激感・落屑・紅斑・乾燥・かゆみ・脱色など。
・日光に対して敏感になります。
これらの薬は、小児に対して安全性が確保されていません。
ダラシン以外の薬は「12歳以下の安全性が~」との記載があるので12歳から使えます。
ダラシンは年齢の指定はないので、一般的な成人の基準である15歳異常が無難化と思います。
保存方法、適用部位、使用できる年齢、脱色について
ややこしくてどれがどれだか分からなくなる項目だけまとめてみます。
・保存方法
冷所保存→ベピオ・デュアック
室温保存→ディフェリン・エピデュオ・ダラシン
・適応部位
顔面のみ→ディフェリン・エピデュオ
体も可能→ベピオ・ダラシン・デュアック
・使用できる年齢
12歳以上→ディフェリン・ベピオ・エピデュオ・デュアック
15歳以上→ダラシン
・脱色する薬(=塩化ベンゾイルを含む薬)→ベピオ・エピデュオ・デュアック
アイキャッチ画像の答えは②エピデュオでした!
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