【検査値の見方分かりますか?】赤血球・白血球・PT-INRなどの血液一般検査について

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検査値

どうも、シンパパ薬剤師Kです。

検査値について勉強をしようと思い始めた3年目。
いっその事ブログの記事にしちゃえという事でまとめていきます。

血液一般検査とは

血液一般検査とは、血液中の血球成分の状態を調べる検査です。
スクリーニング検査として広く使われており、赤血球・白血球・血小板の情報から疾患の有無を調べます。

赤血球(RBC)

基準値は、男性400万~550万個/μL女性380万~480万個/μL

骨髄で作られ、肝臓や脾臓で破壊されます。寿命は4か月程度です。
役割は酸素運搬と二酸化炭素の回収。
赤血球が少ない時の代表的ば疾患は鉄欠乏性貧血ですが、様々な疾患でも低値を示す為、即断はできません。

ヘモグロビン(Hb)

基準値は男性13~16.9g/dL女性11~14.6g/dL

鉄分とタンパク質が結合した赤血球の主要成分です。
酸素運搬の役割を担っている。ヘモグロビン値を調べることで、血液の酸素運搬能を知ることが出来ます。

ヘマトクリット(Ht)

基準値は男性38~49.5%女性32~43%

ヘマトクリットは、血液中の赤血球の割合で、貧血や赤血球増多症などの診断に用います。
血液(ヘマト)を遠心分離(クリット)することで調べるので、ヘマトクリットという名称になっています。
ヘマトクリットに変化があった場合は、単に赤血球の数に変化があるのか、血漿の量に変化があるのかを判断する必要があります。

血清フェリチン

基準値は男性16~275ng/mL女性5~140ng/mL

フェリチンは、鉄とアポフェリチン(タンパク質の一種)が結合したもので、貯蔵鉄の一種です。
体の至る所に分布していて、血清フェリチン値と貯蔵鉄は明瞭な相関関係にあります。
血清フェリチン値が低下している時は貯蔵鉄の低下を意味しているので、鉄欠乏性貧血を疑って良いです。
逆に血清フェリチン値が増加している場合は、悪性腫瘍の可能性も考えられる。
細胞破壊に伴って数値が増加するので腫瘍マーカーとして用いられるが、どの臓器によるものかは分からない。

網状赤血球

基準値は男性0.2~2.7%女性0.2~2.6%

網状赤血球は骨髄で産生されて血管に入ってきたばかりの出来立ての赤血球です。
大体血管に入ってきてから1~2日後に通常の赤血球になります。
この数値が高い場合、赤血球の産生が亢進しています。
赤血球の産生が亢進するのは、溶血か出血が考えられます。
また、網状赤血球は、貧血の治療効果の判断にも使われます。
貧血の治療を行っている場合に網状赤血球が上昇傾向なら治療経過は良好だと判断できます。

主な貧血の種類

・鉄欠乏性貧血
・再生不良性貧血
・巨赤芽球性貧血
・溶血性貧血
・続発性貧血
・失血性貧血

白血球(WRC)

基準値は男性3700~9700個/μL女性3500~8200個/μL

体内に侵入してきた細菌などを分解して、体を守る役目を担っています。
骨髄で作られて脾臓で壊されます。
炎症があると増加しますし、骨髄や脾臓に異常がある場合にも白血球の数に変化があります。

白血球分画(血液像/白血球像)

白血球には5種類あり、それらの比率を調べることは疾患を特定するための判断材料になります。

・好中球(40~60%)→血管外に出て細菌や異物を取り込んで消化する。(貪食作用)
・リンパ球(30~45%)→抗原抗体反応に関わり免疫作用を持つ
・単球(4~10%)→細菌の貪食作用を持つ
・好酸球(1~5%)→細菌の貪食作用を持ち、かつアレルギー反応に関わる
・好塩基球(0~1%)→アレルギー反応に関わる。ヘパリンを産生する。
K
K

喫煙者とステロイド内服している患者は、軽度に白血球が増加していることがあります。

血小板数(Plt)

基準値は16万~39万個/μL

血小板は、血管の出血部に粘着して凝集塊を作って止血します。
また、セロトニンを放出することで血管を収縮して出血量を抑える作用も持っています。
血小板の2/3が血管内を流れており、残りは脾臓に貯蔵されています。
産生は骨髄で行われており、寿命は10日前後です。
10万個を下回ると血小板減少症といわれます。

プロトロンビン時間(PT)

基準値はPT:11~15秒    PT活性:80~100%

プロトロンビンは、出血が生じるとトロンビンに変化し、フィブリノーゲンをフィブリンに変化させる。フィブリンは水に溶けにくく、出血時に血餅を形成して凝固作用を示します。
プロトロンビン時間は、出血が生じてからプロトロンビンが生成しフィブリンが析出するまでの時間です。
ワーファリン服用時にモニタリングするPT-INR(国際標準化比)は、検査施設による生じる格差を解消する

活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)

基準値は30~45秒(正常対照との差が10秒未満)

トロンボプラスチンは血小板や白血球に含まれる血液凝固因子のひとつです。
血友病では、一部のトロンボプラスチンが不活性になっているので出血傾向になります。
試薬によって凝固時間が異なるので、正常対照と比べて差が10秒未満なら正常とされます。

トロンボテスト(TT)

基準値は70%以上

トロンボテストはビタミンK依存性血液凝固因子の活性を調べる検査です。
血漿に試薬を加えてフィブリンが生じるまでの正常血漿の時間を100%として、検体の%を測定します。また、トロンボテストは血液凝固因子(PIVKA)の影響を受けます。
この検査は、ワーファリンのモニターとして使われます

ヘパプラスチンテスト(HPT)

基準値は70~130%

ヘパプラスチンテストはトロンボテストと同様にビタミンK依存性血液凝固因子の活性を調べる検査です。
測定方法も同じで、血漿に試薬を加えてフィブリンが生じるまでの正常血漿の時間を100%として、検体の%を測定します。また、ヘパプラスチンテストは血液凝固因子(PIVKA)の影響を受けません。
肝機能検査の一環として利用されています。

フィブリン分解産物(FDP)

基準値は15μg/mL

フィブリンは血栓を作り止血機構の重要な役割を担っています。
塞栓が出来ないようにプラスミンによって分解(線溶)されます。
この際に生じた分解物をフィブリン分解産物といいます。
この検査は、播種性血管内凝固症候群(DIC)の診断に欠かせないものとなっています。
フィブリン分解産物が増えている場合は、線溶系の亢進や血栓が生じているなどの血液凝固系の異常が生じている可能性があります。

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