どうも、シンパパ薬剤師Kです。
コロナワクチンの接種が進んできて解熱剤のアセトアミノフェン含有の市販薬がどんどん品薄状態になっているようですね。
それを受けて「アセトアミノフェンじゃなくてイブプロフェンでも良いですよ~」って厚生労働省から発信がありましたね。
え?ロキソニンはダメなん?どうなん?
って思う方もいると思うので薬剤師が解説していこうかと思います。
この記事は個人の見解を含みます。
記事で解説した薬を服用したことで発現する副作用などを保証することは出来ませんのでご了承ください。
カロナールは売っていない!?
TVなどではアセトアミノフェンを医療用のカロナールという名称で記載していることがありますが、カロナールは普通に変えるお薬ではありません。
カロナールは処方箋が必要なお薬ですので、ドラッグストアなどで
すみませーん、カロナールありますか?
って聞くと恥ずかしい事になるので注意です(笑)
まだ買えるアセトアミノフェン!
アセトアミノフェン製剤は殆ど売り切れていますが、小児用バファリンはまだ売っているようです。
【メール便可】【第2類医薬品】小児用バファリン チュアブル 12錠【4903301818670】 価格:620円 |
【第2類医薬品】小児用バファリンCII(48錠)【バファリン】 価格:1,031円 |
同じ小児用でもCⅡとチュアブルで1錠当たりの用量が違うので要注意です!
小児用バファリンCⅡは1錠33mg、小児用バファリンチュアブルは1錠50㎎しか入っていないので大人はCⅡ9錠、チュアブル6錠(300mg)も飲む必要がありますね。
アセトアミノフェン+αの薬
ネコポス送料200円商品/【第(2)類医薬品】バファリンルナi20錠※セルフメディケーション税制対象商品 価格:670円 |
純粋なアセトアミノフェン以外にもイブプロフェンと無水カフェインが含まれています。
解熱作用に加えて鎮痛作用も期待できるので痛みが発現しやすいコロナワクチンの副反応にはこちらも適していると思います。
どの薬剤を使うにしても適正な使用を心がけてください。これは絶対です。
服用方法に悩んだら近くの薬局に電話して薬剤師に聞きましょう。
買った場所と違くても大丈夫です。
少なくとも私の薬局は、来たことのない方の質問にもお答えしています。
そういった薬局が圧倒的に多いと思いますので、困ったことがあったら電話してください。
まずは結論から
イブプロフェンでOKという事なので、基本的にロキソニン(ロキソプロフェン)でもOKだと私は考えます。
というのも、ロキソプロフェンはイブプロフェンと同じNSAIDsという分類の薬で「解熱鎮痛剤」だからです。
コロナワクチンによる副反応の症状は、発熱だけではありません。強い痛みや倦怠感も良くみられる症状です。
事実、私も高熱と共に穿刺部位が酷く痛みました。
アセトアミノフェンは解熱作用はしっかりと現れますが、抗炎症作用はほとんどなく鎮痛作用もNSAIDsに比べると劣ります。強い痛みにはロキソプロフェンの方が適していると思います。
臨床現場では、アセトアミノフェンは解熱剤・ロキソプロフェン(orイブプロフェン)は痛み止めと使い分けされてる事が殆どです。
色々と検索したのですが、解熱作用に関してアセトアミノフェンとロキソプロフェン(orイブプロフェン)どちらが強いかというデータは見つかりませんでした。(もっと探せばあるのかもしれないが。)
ただ、アセトアミノフェンは中枢の体温調整中枢に直接作用するので、間接的に作用するロキソプロフェン(orイブプロフェン)より解熱作用は出るんじゃないかと個人的に思っています。
痛みに関してはロキソプロフェンの方が強いので、痛みを伴うワクチンの副反応にはロキソプロフェンでもよいと考えています。
各薬剤の注意事項
全ての注意事項を書き出しても情報量の大渋滞になってしまうので、代表的な注意事項をご紹介します。
共通の注意事項
共通で注意していただきたいのは、ワーファリンを服用している場合です。
ワーファリンって結構飲んでる方多いので、ご家族が飲んでいないか確認しておきましょう。
これらの解熱鎮痛剤をワーファリンと一緒に服用すると、ワーファリンの抗凝固作用が増強する恐れがあります。
コロナワクチンの接種で凝固系が亢進するという見解もありますので、ワーファリンは重要なお薬です。薬剤師やお医者さんの意見を聞いてから解熱鎮痛剤を服用しましょう。
アセトアミノフェン(カロナール・小児用バファリンなど)
医療用のカロナールの添付文書には警告欄があります。
この警告はすべての薬にあるわけではなくて、重大な注意事項がある薬のみ警告として添付文書に記載されます。
カロナールの警告欄には重篤な肝障害について記載があります。
市販薬の用量では問題ありませんが、高用量で長期にわたって服用した際に肝障害のリスクとなります。
ロキソプロフェン(ロキソニン)
ロキソプロフェンは小児や妊婦さんには使えません。
厳密に言うと妊婦さんは使える妊娠周期もあるんですが、なるべく使わないほうが良いです。
お子様にも使えないので注意です!
また、降圧剤の作用を減弱させる可能性がありますので注意が必要ですが、発熱時に飲むくらいであれば問題ないと思います。
良く「ロキソニンは強いから胃が荒れやすい」って言う方もいますが、ロキソプロフェンは胃の副作用が少なくなるように設計されたプロドラッグという薬です。
全く影響がない訳ではないですが、「ロキソニンは強い薬だから胃が荒れやすい」という認識は少し違っていると思われます。
ただ少なからず胃腸障害がある事は事実で、服用する際は空腹時は避けることが望ましいとされています。
ですが、これは他のNSAIDsで空腹時だと胃が荒れやすいというデータがあっただけで、ロキソプロフェンで空腹時だから荒れやすいといったデータはないとの事です。ロキソニンのメーカーに問い合わせて頂いた回答なのでほぼ間違いないと思います。
そもそも1日2日飲むくらいで、ロキソプロフェンによる胃腸障害は殆ど起きませんので「用法用量を守って1日2日程度服用する分には、胃腸障害は気にしなくて大丈夫」というのが私見です。
イブプロフェン(ブルフェン・EVE A・バファリンシリーズ)
市販の痛み止めとして多く発売されているイブプロフェン製剤。
基本的な注意事項はロキソプロフェンとほぼ同じです。
ロキソプロフェンとどっちが強いかという直接的な試験は見つけられなかったのですが、医療現場では圧倒的にロキソプロフェンが使われています。
注意事項は、妊婦には不向きという点・5歳未満には使えない点・降圧剤の効果を減弱させる点です。
妊婦・授乳中の方はどれがいい?
妊婦さんの場合、安全性が高いのは圧倒的にアセトアミノフェンです。
妊婦さんにもロキソプロフェンやイブプロフェンが使われることもありますが、産婦人科医が判断して処方されている場合以外は絶対にやめましょう。
授乳中の場合はどれも服用可能です。
妊娠と授乳中の薬は 妊娠と薬情報センター を参考にするといいですよ!
妊婦さんに使える薬について過去記事にもまとめてますので良かったらこれも見てください!
まとめ
コロナワクチンの副反応対策として、アセトアミノフェンが手に入らない状況を鑑みてロキソプロフェンやイブプロフェンで対応することは可能だと考えます。
個人的な見解では、NSAIDsよりアセトアミノフェンの方が解熱作用は強いが、鎮痛作用はNSAIDsの方が高い。
ただ、どの薬にも注意事項があり正しい知識で服用する必要があります。
テキトーな判断などはせず、薬剤師のいる薬局などに電話しましょう。
大体の薬局は普段薬を貰っている患者さんでなくても対応してくれますので、分からない事は確認して正しい判断のもと服用しましょう。
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