何の疾患?カルベジロールとビソプロロールの違い(心疾患編)

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医薬品

どうも、シンパパ薬剤師Kです。

カルベジロールとビソプロロールが処方されてるときって「疾患名なんだろ」って思いますよね。
特管取れるか、何を注意しようか、どんな話をしようか疾患が分かっているかいないかでは変わってきますよね。

用法用量、併用薬によって疾患がある程度予想出来るので、処方されていたらしっかりチェックしましょう!

適応

まずは2剤の適応から見ていきましょう。

◎カルベジロール
・本態性高血圧症
腎実質性高血圧症
・狭心症
・次の状態でACE阻害薬、利尿薬、ジギタリス製剤などの基礎治療を受けている患者
 →虚血性心疾患 又は 拡張型心筋症に基づく慢性心不全
・頻脈性心房細動
◎ビソプロロール
・本態性高血圧症
・狭心症
心室性期外収縮
・次の状態でACE阻害薬、ARB、利尿薬、ジギタリス製剤などの基礎治療を受けている患者
 →虚血性心疾患 又は 拡張型心筋症に基づく慢性心不全
・頻脈性心房細動

微妙に違いますが、ほぼ同じですね。

各規格の効能

規格ごとに効能が決まっているので、一覧表にしました。

どちらも最少規格で使われている場合は、「心不全」の可能性が高いです。
ビソプロロールは、疾患を絞り込むことは難しいですね。。

各疾患における用量

◎カルベジロール

1、慢性心不全

成人1回1.25mg、1日2回食後経口投与から開始。
忍容性がある場合は、1週間以上の間隔で段階的に増量する。1回投与量は、1.25mg・2.5mg・5mg・10mgのいずれかで、維持量は1回2.5mg~10mg1日2回とする。

2、頻脈性心房細動

成人1回5mgを1日1回経口投与から開始。
効果が不十分の場合は1回10mg、1回20mgへ段階的に増量する。最大投与量は1回20mgを1日1回。

3、本態性高血圧症(軽症~中等症)、腎実質性高血圧症

成人1回10~20mgを1日1回経口投与。適宜増減

4、狭心症

成人1回20mgを1日1回経口投与。適宜増減

心不全だけ1日2回

心不全だけ1日2回なので、処方を見て予想できますね。
他の疾患は併用されている薬を見て予想するしかないですね。

◎ビソプロロール

1、慢性心不全

成人1回0.625mg、1日1回経口投与から開始。
忍容性がある場合は、2週間以上の間隔で1.25mgに増量する。
その後忍容性がある場合は、4週間以上の間隔で必ず段階的に増量する。
1回投与量は、0.625mg・1.25mg・2.5mg・3.75mg・5mgのいずれかで、維持量は1回1.25mg~5mg1日1回とする。1日1回5mgは超えないようにする。

2、頻脈性心房細動

成人1回2.5mgを1日1回経口投与から開始。
効果が不十分の場合は1回5mgへ増量する。最大投与量は1回5mgを1日1回。

3、本態性高血圧症(軽症~中等症)、狭心症、心室性期外収縮

成人1回5mgを1日1回経口投与。適宜増減

低用量(0.625mg錠)は心不全

0.625mg錠が使われてたら真っ先に心不全を疑いましょう。

併用薬を見て予想しよう

では、実際にどうやって予想するか。僕が普段考えていることをご紹介します。
当然予想が外れることはあります、ご了承ください。ひとつの目安くらいに思って読んでください

心疾患で良く使われる薬といえば、ARB・ACE阻害薬・利尿薬・Ca拮抗薬・Naチャネル遮断薬・ジゴキシン・硝酸薬・ワーファリン抗血小板薬・DOACでしょうか。
ARB・ACEの場合は、高血圧のファーストチョイスなので疾患を予想するにはあまり役に立ちません。

利尿薬

ループ利尿薬やスピロノラクトン、チアジド系。
どれも高血圧か心不全による浮腫の改善に用いられます。(他にも適応はあるが)

心疾患に対しては心不全に対して使われている可能性が高いです。
βブロッカーと利尿薬が一緒に処方されていたら心不全と予想できます。

Ca拮抗薬

アムロジピンとかではなく、ジルチアゼムなどの非ジヒドロピリジン系のCa拮抗薬のお話をします。
この場合、適応が狭心症か高血圧になるので恐らく狭心症であると予想できます。

Naチャネル遮断薬

メキシレチンとアプリンジンなどのⅠb群の適応は、心室性の頻脈性不整脈です。
それ以外の適応が、糖尿病性神経障害の改善なので糖尿病治療薬が出ていなかったら、ほぼ不整脈です。

ピルシカイニド、フレカイニドなどのⅠc群の適応は、心房細動や心室性の不整脈です。

Ⅰb群とβブロッカーが処方されている場合は、心室性の可能性が高いので心室性期外収縮に適応があるビソプロロールが選ばれ得る可能性が高いかも?
Ⅰc群とβブロッカーが処方されている場合は、カルベジロールなら頻脈性心房細動ソプロロールなら心室性期外収縮もあり得るかなと思います。

ジゴキシン

ジゴキシンは、心不全にも狭心症にも頻脈にも適応があります。
なので、正直あまりヒントにはなりません。

硝酸薬

硝酸イソソルビドの適応は狭心症、心筋梗塞、その他の虚血性心疾患で、一硝酸イソソルビドの適応は狭心症のみです。
狭心症と心筋梗塞は近い病態なので薬だけで断定は無理かもしれません。
「狭心症か心筋梗塞かな」って予想できればOKだと思います。

ワーファリン

ワーファリンが出たら「不整脈による血栓を予防する」っていう認識で良いかと思います。
なので心臓だけで考えると心房細動心筋梗塞に対して処方されていると予想できます。

抗血小板薬

抗血小板薬は、狭心症心筋梗塞に使われます。
循環器でβブロッカーと一緒に出ていたら、狭心症心筋梗塞の可能性が高いです。
同時にバイパス手術カテーテル手術をしている可能性も高いです。

DOAC(新規経口抗凝固薬)

DOACがβブロッカーと一緒に処方されていたら、非弁膜症性心房細動などによる血栓の既往があると予想しています。

(個人的)予想まとめ

低用量はまず心不全を疑う!
・カルベジロール1日2回は心不全

~併用薬~
・ARB、ACE阻害薬、ジゴキシン→絞れない
・利尿薬→心不全
・Ca拮抗薬→狭心症
・Naチャネル遮断薬(Ⅰb群)→心室性期外収縮
・Naチャネル遮断薬(Ⅰc群)→心室性期外収縮 or 心房細動
・硝酸薬→狭心症 or 心筋梗塞
・ワーファリン→心房細動 or 心筋梗塞(血栓の既往)
・抗血小板薬→狭心症 or 心筋梗塞(血栓の既往)
・DOAC→非弁膜症性心房細動(血栓の既往)

個人的に予想している内容ですので参考になるかはわかりませんが、今まで気にしていなかった人は気にして見てください。
気にかけてみると循環器の処方を解析するのが少し楽しくなるかもしれませんよ!

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