どうも、シンパパ薬剤師Kです。
ステロイドの内服はアトピーや蕁麻疹の増悪期やリウマチなどで見ることが多いです。
ステロイドって外用剤も内服もすごく分かりづらいですよね。
ってことでまとめていきましょう!
作用時間と強さの違い
タイトルにもありますし、考えればそりゃそうだろって話なんですが、作用時間と強さに違いがあります。
プレドニンの方が「弱く作用が短い」ステロイドで、リンデロンの方が「強く長く効く」ステロイドです。
作用時間
プレドニンの生物学的半減期は12~36時間程度(中間型)で、リンデロンの生物学的半減期は36~54時間程度(長時間型)です。
(内服ステロイドの基準にされるヒドロコルチゾンは8~12時間程)
用法はどちらも1日1~4回です。生物学的半減期に差があるので臨床では使い分けが出来ますね。
この生物学的半減期は、添付文書やIFに記載されている血中半減期とは異なるものです。血中半減期はもっと短くて、プレドニンは約2.5時間・リンデロンは約5時間です。
強さの換算
ステロイドの強さは「ヒドロコルチゾンを1」を基準として評価がされています。
プレドニンは4で、リンデロンは25~30とかなり強い評価です。
服用方法の工夫
ステロイドの内服は副作用が問題になりがちです。その副作用を軽減するための工夫がされている処方も良く目にします。
漸減漸増
ステロイドの内服での基本になるのが、漸減漸増。
急激なon-offは副作用があらわれる大きな理由のひとつです。
開始時は少なめの量から忍容性を見ながら増量して、退薬する際も少しずつ減らしていく方が体への負担は少なく済みます。
隔日投与
隔日投与もステロイドを内服する上でよく見る投与方法です。
最低限の薬の量に抑えつつ、体内へ薬が入ってくる回数を減らして副作用発現を回避することが目的です。
1日の中で1回服用量を変える
ホルモンの分泌には日内変動があります。
更に、症状も1日の中で変化するものもあります。
その変動などに合わせて投与量を調節する事で、副作用の発現を減らします。
服薬方法の工夫がしやすいのはプレドニン
このような服薬方法の工夫をする際に使いやすいのはプレドニンです。
リンデロンは強くて作用時間が長いので、多少飲み方に変化を付けても効果に影響が出にくいです。しっかり効いてくれます。
一方プレドニンは、前述した通り半減期も中間型で作用も程よく弱いです。
服薬方法を工夫して薬の効果を調節しやすい薬です。
鉱質コルチコイド作用
ステロイドには、「糖質コルチコイド作用」と「鉱質コルチコイド作用」があります。
炎症を抑えるのに働くのは糖質コルチコイド作用で、鉱質コルチコイド作用はアルドステロンと同様に腎臓や心臓に作用します。鉱質コルチコイド作用が強く働くと腎臓や心臓の負担になります。ARBの逆ですね。
リンデロンは鉱質コルチコイド作用がほぼありません。ヒドロコルチゾンを1としたときに0.01未満です。
一方プレドニンは、同指標で0.8とそれなりに鉱質コルチコイド作用があります。
糖質と鉱質の青と黄色の色分けは、鉱質コルチコイド作用もあるプレドニンが青なので鉱質を青にしています。
リンデロンの方がパルス療法に向いている
症状が増悪している際は、ステロイドによるパルス療法(大量投与)が行われます。
これはプレドニンもリンデロンも使われます。
しかし、鉱質コルチコイド作用が強いと副作用の原因にもなる為、作用が強く鉱質コルチコイド作用が殆どないリンデロンの方がパルス療法には向いています。
妊婦にはどちらも安全に使えるがプレドニンがやや優勢
妊婦に対してはどちらも安全に使えます。
オーストラリア基準では、プレドニンが一番優秀なAで、リンデロンが次点のB1に分類されています。
基本的にどちらも薬による胎児への有害な影響はないと思われます。
授乳婦にもプレドニンが優勢
授乳婦に対しては、プレドニンがL2で、リンデロンがL3に分類されています。
L2は授乳婦が使用しても乳児に有害な影響が増加する報告がない or リスクが認められる根拠が殆どない薬が分類されます。
L3は有益性投与で乳児に有害な影響が出る可能性がある or 極めて軽微で危険性のない有害作用しか報告されてない薬が分類されます。
なので、リンデロンは危険ではないけど有害作用はあるかもしれません。
まとめ
・生物学的半減期
→プレドニン:中間型・リンデロン:長時間型
・抗炎症作用の強さ
→プレドニン:4・リンデロン:25~30
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