【乳剤性基剤の特徴】親水クリーム・吸水クリーム・親水ワセリンってどう違う?

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医薬品

どうも、シンパパ薬剤師Kです。

外用剤の基剤ってややこしいので少しまとめてみようと思います。

簡単にまとめると

・3剤とも乳剤性基剤(クリーム剤)に分類される
・親水クリームは、水中油型基剤(o/w型)
・吸水クリームと親水ワセリンは、油中水型基剤(w/o型)
・混合する薬剤、皮膚の状態で使い分ける。
・親水軟膏は親水クリームに、吸水軟膏は吸水クリームに名称変更された。

配合されている成分

配合されている成分を確認できるように添付文書を貼っておきます。

水中油型(o/w型):水分を供給するのに向いている

油中水型(w/o型):傷の保護、保湿に向いている

乳化されている乳剤性基剤

3剤とも乳剤性基剤(クリーム剤)に分類されます。
乳化されている為、軟膏やローションに比べ皮膚透過性が高いです。

乳剤性基剤は、水中油型と油中水型に分けられます。
油中水型は更に、水相を有するものと欠くものに分けられます。

ちなみに薬価収載されている皮膚外用剤のほとんどはo/w型です。

しかし、ステロイドの透過性はw/o型の方が高いです。

使い分けは?

3剤ともクリーム剤に分類されるので、大まかな使われ方は同じです。
油と水のバランスが異なるので、混合する薬との相性や使用感、皮膚の状態によって使い分けることになります。

親水ワセリンは水相を欠くので、乳剤性基剤に分類されてますが水分を加えないと油脂性基剤と同じです。皮膚から出てくる水分を吸収して乳化して皮膚への親和性を高めます。
多少水分がある皮膚に対して使いやすいのは親水ワセリンだと思います。

o/w型(親水クリーム)は外相が水であるため、水分が蒸発しやすく皮膚を冷却しやすいという特徴があります。
大体の外用剤がo/w型なので、他の薬剤と混合する場合はo/w型の方が出番がありそうです。

w/o型(吸水クリーム)は外相が油なので水で流れにくく、皮膚への刺激が少ない特徴があります。
ステロイドの軟膏と混ぜる場合はw/o型の方が向いています。

乳剤性基剤(クリーム剤)が適した皮膚の状態

乳剤性基剤がどんな状態の皮膚に適しているのか説明します。

乳剤性基剤は、水と油が混ざった状態の物ですが水と油の中間みたいな使い方ではありません。
同じく親水性基剤に分類される水溶性基剤と真逆の適応を持っています。
浸出液が多い、水疱やびらん、潰瘍には水溶性基剤が適しており、浸出液が少ない紅斑や丘疹、苔癬には乳剤性基剤が向いています。
乳剤性基剤が向いている皮膚の状態は、同じ親水性基剤の水溶性基剤より疎水性基剤の油脂性基剤の方が近いです。

水溶性基剤が主に使われている薬剤は、マクロゴールが多く含まれるユーパスタ軟膏とかヨードコート軟膏とかですね。褥瘡の治療に使われる薬剤が多いです。

油脂性基剤はどんな皮膚状態でも使いやすい

油脂性基剤である軟膏は刺激が少ない為、色んな皮膚の状態に対して使うことが出来ます。
ただ、クリーム剤に比べて浸透力が低い事や、べたつきによる使用感の悪さ等欠点もあります。
実際に皮膚科から処方されているステロイドは、単剤の場合は軟膏の方が多く保湿剤と混合されている場合はクリームの方が多い印象です。

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