【風邪薬、鎮痛剤、花粉症薬etc】妊婦でも使える薬はこれ!

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医薬品

どうも、シンパパ薬剤師Kです。

前回の抗ヒスタミン薬の最後で妊婦・授乳婦について触れたので、今回は妊婦と薬というテーマで書いていこうと思います。

催奇形性や胎児毒性のある薬として抗てんかん薬のカルバマゼピンバルプロ酸などが有名ですが、慢性疾患の場合は産婦人科で医師に直接相談していると思うんですよね。

実際に僕が問い合わせを受けるのは風邪薬解熱鎮痛剤、花粉症治療薬 がほとんどです。

風邪薬

ではまずは風邪についてみていきましょう。

妊婦さんは今まで以上に自分の体に気を使っていますので、ご自身の体調を崩さないように予防法を取られていると思います。

その中で気を付けていただきたいのが、大阪府知事の一件で話題になり品薄になったヨード含嗽薬です。

あの知事の会見に憤りを感じた方もいたのではないでしょうか?

実際勤務中に「イソジンありますか?」って電話が何件もあって迷惑でした笑

そのイソジンに含まれるヨードは容易に胎盤を通過します。それにより胎児が甲状腺中毒になる恐れがありますので注意が必要です。

妊婦の熱に対してアセトアミノフェンが安全に使えるのはご存知だと思いますが、長期大量投与では母体の肝障害や腎障害、新生児の腎毒性があるので覚えておくといいかもしれません。(日本の処方量では有り得ないかもしれませんが。。)

また、激しい咳は早産の原因にもなりかねます。
鎮咳薬としてよく用いられるデキストロメトルファンは妊婦に対しても安全性が報告されてます。

鼻の症状にはクロモグリク酸クロルフェニラミンが安全性高いとされていますが、前回の記事でも挙げたロラタジンセチリジンレボセチリジンでも良いかと思います。

下痢の症状には、ヒトでの催奇形性の報告がないロペラミドが使用可能で、
抗生剤が必要な場合は、ペニシリン系セフェム系が使われているようです。

解熱鎮痛剤

解熱鎮痛剤は前述しているアセトアミノフェンが第一選択ですね。

たまに妊婦さんへロキソニンとかのNSAIDs出ていることがありますよね。

ロキソニンの添付文書では妊娠後期には禁忌なので一応使えます。

初期、中期も当然使わないに越したことはありませんが、母体の状態を十分に考慮した上で処方されることはあるようですね。

ちなみに妊娠初期は初めの4ヶ月中期は5~7ヶ月後期は8ヶ月以降なので覚えておくといいですね。

妊娠初期にNSAIDsを服用した場合、催奇形性のリスクにはならないとされているそうですが、流産への影響はわかっていないようです。流産のリスクが上がると報告されている研究もあれば、影響を与えないという研究もあるので明確な答えはないのが現状です。、

中期に服用した場合、羊水量の減少に繋がります。
羊水の水分は胎児の尿によるものが多く、NSAIDsの服用で胎児の腎臓が障害を受けた結果と考えられているそうです。通常はNSAIDsの服用をやめれば元に戻るとされていますが、長期に渡って服用されている場合は出生後の赤ちゃんの腎機能に障害が残る可能性もあるようです。

後期に服用した場合、動脈管への影響が懸念されます。
胎児の動脈管が早期に閉鎖し、肺高血圧症などの疾患のリスクが高まります。

やはり可能な限りNSAIDsには頼らず、カロナールで対処したいところですね。

花粉症

今の時期は悩まされている方も多い花粉症。
妊婦さんは体液量が増え鼻づまりの症状が出やすいので例年より強く症状が出ることがあります。
鼻閉の症状にはまず点鼻薬を選択するのがいいと思います。
クロモグリク酸や抗ヒスタミン薬の点鼻薬だけでなく、ステロイドの点鼻もOKです。
注意したいのがナファゾリン含有の点鼻薬です。

OTCでも販売しているにも関わらず、子宮収縮の作用もあるので妊婦さんには避けてほしいお薬です。
内服は前述した抗ヒスタミン薬を参照にしてください。

睡眠薬

「飲んじゃだめじゃね?」
って僕は思ったんですけどそうでもないみたいですね(笑)

不眠に対しては、薬物治療の前に、適度な運動ぬるま湯でのお風呂などがお勧めのようです。
それでも不眠が続いて、母体にも胎児にも影響が出ちゃうなと判断されれば眠剤が投与されるようですね。
先生のご判断で漢方が選択されたり、ベンゾジアゼピン系などが選択されます。

ロゼレム、ベルソムラは添付文書上「有益性投与」なので服用OKです。

ですが、使用は短期的にしましょう!
長期的に服用することで新生児薬物脱離症候群が発生し、胎児に影響が出る可能性があります

お母さんと赤ちゃんを守るために投与したはずなのに、こうなってしまうと何のために投与したのか。。って感じになっちゃいますね。

便秘や栄養素、タバコとアルコールなど妊婦さんへの注意事項はまだまだありますが、今回はこのあたりで締めようと思います。

知っていたことばかりだったかもしれませんが、知らなかったことがひとつでも御座いましたら、是非日々の業務でご活用ください。

機会があれば第2弾として今回書ききれなかったことをまとめたいと思います。

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