アミオダロンなどKチャネル遮断薬の使い方と違いとは?

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医薬品

どうも、シンパパ薬剤師Kです。

今回は不整脈治療薬のKチャネル遮断薬についてまとめていきます。

Kチャネル遮断薬

Kチャネル遮断薬は主に心室性の不整脈に用いられる抗不整脈薬ですが、正直出番はあまり多くありません。
その理由はKチャネル遮断薬の適応が「他の抗不整脈薬が無効な場合、使えない場合」だからです。

Kチャネル遮断薬に分類されるのは、アミオダロン・ソタロール・ニフェカラントの3種類です。

アミオダロンとソタロールはKチャネル遮断以外の作用を持つマルチチャネル遮断薬で、ニフェカラントはKチャネルを選択的に遮断する薬剤です。

Kチャネルの種類

Kチャネルにはいくつか種類があり、遅延整流性KチャネルであるIKur(ultra rapid)、IKr(rapid)、IKs(slow)が不整脈では重要になります。

IKrの抑制:心拍数が遅いほどAPD(活動電位時間)を延長し、心拍数が速いとAPDへの影響が少なくなります。
IKsの抑制:心拍数が速いほどAPD(活動電位時間)を延長し、心拍数が遅いとAPDへの影響が少なくなります。

つまり、頻脈性不整脈の治療にはIKsの方が有利です。
Kチャネル遮断薬の内、アミオダロンだけIKsに作用します(IKrにも作用する)のでKチャネル遮断薬の中で一番多く使われています。
基本的に優先的に使われることは少ないKチャネル遮断薬ですが、主な出番は血行動態の安定した心室性不整脈器質的心疾患を背景とした心室性不整脈です。

Kチャネル遮断薬の比較

ここからはアミオダロン・ソタロール・ニフェカラントの違いやポイントを見ていきましょう。

~Kチャネル遮断薬の違い、ポイント~
アミオダロンはKチャネル遮断(IKrとIKs)の他にNaチャネル遮断、Caチャネル遮断、α遮断作用を持ち合わせる。
ソタロールはKチャネル遮断(IKr)の他にβ遮断作用とIKrを抑制する。
・β遮断作用はアミオダロン<ソタロール
・ニフェカラントは純粋なKチャネル遮断薬(IKr)である。(注射剤のみ)

簡単に列挙するとこんな感じです。
前述した通りIKs抑制作用があるアミオダロンが一番使われています。

アミオダロンとソタロールはβ遮断作用もあるので心拍数を下げる作用が強いので徐脈になりすぎないように注意が必要です。
IKr抑制作用が相まって脈拍の低下によってAPD延長作用が強く出るので、QT延長やtorsade de pointsの発生に注意が必要です。

エビデンスが多く、心不全を伴う心房細動に有効なアミオダロン

アミオダロンはKチャネル遮断薬の中で一番エビデンスがあります
心不全を伴う心房細動に対してアミオダロンの静注はレートコントロールとして有効とされています。

不整脈に対しても高い有効性を示しますが、分布容積が高く有効血中濃度まで結構な量を投与しないといけない為、副作用も多く報告されています。
定期的に肺や甲状腺をモニタリングする必要があります。

即効性に優れるニフェカラント静注

即効性に優れ半減期も短い為、緊急性の高い場面で使われます。
心室細動の除細動閾値を低下させる作用もあります。

β遮断作用がないので、心機能低下例でも使いやすい特徴を持ちます。

β遮断作用が強くて出番が少ないソタロール

ソタロールはβ遮断作用が強いので「脈拍が下がる→IKr抑制でAPD延長が強く出る」という事に注意しないといけません。
心機能が低下している場合だとβ遮断による心機能抑制に許容できない可能性もあるので、アミオダロンの方が選ばれています。

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