ヒュミラの適応・使い方・注意事項まとめ

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医薬品

ヒュミラは自己注射する薬剤で適応が10個もあり初めて調剤するときは戸惑いました。
使用頻度が高い薬剤ではないので、要点を簡潔にまとめておこうと思います。

ヒュミラの剤型・規格

ヒュミラは自分で注射するお薬で、所謂注射タイプのシリンジ型とインスリン製剤のようなペン型があります。
2008年にシリンジ、2018年にペンが発売されており、基本はペンが使われることが多いかなと思います。
シリンジには20㎎(0.2mL)、40㎎(0.4mL)、80㎎(0.8mL)の3規格ペンには40㎎(0.4mL)、80㎎(0.8mL)の2規格あります。

・ヒュミラ皮下注シリンジ
 20㎎(0.2mL)、40㎎(0.4mL)、80㎎(0.8mL)
・ヒュミラ皮下注ペン
 40㎎(0.4mL)、80㎎(0.8mL)

ヒュミラの適応

ヒュミラの適応は以下の通り10個あります。

①関節リウマチ
②化膿性汗腺炎
③壊疽性膿皮症
④尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬
⑤強直性脊椎炎
⑥多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎
⑦腸管型ベーチェット病
⑧クローン病
⑨潰瘍性大腸炎
⑩非感染性の中間部、後部又は汎ぶどう膜炎

このうち20㎎は若年性特発性関節炎と潰瘍性大腸炎に適応があり、40㎎はすべてに適応があります。80㎎は若年性特発性関節炎にだけ適応がありません。添付文書に分かりやすく纏めてあるのでその表を貼っておきます。

ヒュミラ添付文書より引用

ヒュミラの用法用量

適応が多く用法用量もバラバラなので分かりやすく表にしました。

注射の部位

注射部位は大腿部、腹部、上腕部の三か所で順番に場所を変更し短期間に同一部位へ繰り返し注射は行わないこと。前回の注射部位から少なくとも3㎝は離す必要があります。

ヒュミラの注意事項

警告

ヒュミラの添付文書には「警告」が記載されています。その中でも特に重要と思われる部分を以下に抜粋します。

1.1 本剤投与により、結核、肺炎、敗血症を含む重篤な感染症及び脱髄疾患の新たな発生もしくは悪化等が報告されており、本剤との関連性は明らかではないが、悪性腫瘍の発現も報告されている。本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含め、これらの情報を患者に十分説明し、患者が理解したことを確認した上で、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、本剤の投与において、重篤な副作用により、致命的な経過をたどることがあるので、緊急時の対応が十分可能な医療施設及び医師の管理指導のもとで使用し、本剤投与後に副作用が発現した場合には、主治医に連絡するよう患者に注意を与えること。

ヒュミラ 添付文書より引用

あくまでも対症療法なので危険性を十分考慮してから投与する必要がありますよってことですね。

初回は院内じゃないとダメ?

個人的に驚いたのが「致命的な経過をたどることがある」という部分です。
緊急時の対応が十分可能な指導のもとで使用するとのことなので、初回は院内で使うことが望ましいかもしれません。また添付文書にはこのような記載があります。

1 本剤の投与開始にあたっては、医療施設において、必ず医師によるか、医師の直接の監督のもとで投与を行うこと。自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施したのち、本剤投与による危険性と対処法について患者が理解し、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。

ヒュミラ 添付文書より引用

「医療施設において必ず」という文言がありますが、シリンジ型は注射の手技が難しく手技を十分理解していることが重要だからだと考えられます。一方ペン型は手技が比較的容易で医師がデモ機などで指導していれば必ずしも院内処方である必要はないとメーカーさんが言っていました。

ヒュミラは既存の治療を行ってから

ヒュミラは基本第一選択にはなりません
ただ関節リウマチの場合、関節の構造的損傷の進展が早いと予想される患者に対しては抗リウマチ薬による治療経験がなくても投与可能です。

他の疾患に関しては既存治療を行っても臨床症状が残る場合に投与することが基本です。
警告に記載されているように、投与によるリスクが低くはないのでリスクとのバランスを十分に考慮して使用する必要があります。

感染症・結核・悪性腫瘍(ガン)に要注意

ヒュミラは感染症、結核、悪性腫瘍を進展させる可能性があるのでこれらの疾患が無いか、又はコントロールされているか投与前に確認する必要があります。特に結核に対しては警告欄に以下のような記載があります。

本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部X線検査に加え、インターフェロン-γ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。また、結核の既感染者には、抗結核薬の投与をした上で、本剤を投与すること。

ヒュミラ 添付文書より

その他疾患も悪化させる可能性

上記の疾患以外にも、心不全やB型肝炎、間質性肺炎など様々な疾患を増悪させる可能性が示唆されています。既往歴や既存の疾患について把握して、こまめな経過観察が必要です。

投与期間の目安がある

各疾患ごとに効果が出なかった場合に中止する投与期間の目安が設定されています。

・関節リウマチ:12週間
・壊疽性膿皮症:26週間
・尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬:16週間
・強直性脊椎炎:12週間
・多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎:12週間
・腸管型ベーチェット病:12週間
・クローン病:4週間
・潰瘍性大腸炎:8週間
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