どうも、シンパパ薬剤師Kです。
最近よく「今度ワクチン打つんだけどこの薬飲まないほうが良い??」って聞かれることがあるので少し調べてみました。
個人的な見解を交えて、ステロイドや抗ヒスタミン薬(抗アレルギー薬)を飲んでると抗体に影響あるのかまとめてみました!
今回は日刊ゲンダイで掲載されていた「新型コロナワクチンで抗体がつきやすい人、つきにくい人」という記事も参考にしています。
この記事に記載がある「ワクチン接種をした千葉大学病院の職員1774人を対象に取ったデータ」を基に考察しています。
抗体が付きやすい人の特徴についても記事にしています。
良かったら併せてご覧ください。
コロナワクチンの抗体がつきにくい人
今回の千葉大の調査で抗体量が低かった人の傾向は下記のとおりです。
~この調査で抗体量が低い人の特徴~
・高齢者
・男性
・頻繁に飲酒する
・免疫抑制剤を服用している
・副腎皮質ステロイドを内服している
あくまでもこの調査での傾向で、確定事項ではないのでご了承ください。
高齢
年齢についてはワクチン接種の前から言われている事ですね。
これはコロナワクチンだけという訳でなく、抗体を作る他のワクチンでも同じことが言えます。
どうしても高齢になると体の反応は悪くなってしまいますし、抗体を作る能力も若い人に比べて低くなってしまいます。
これは、若い世代の方が副反応が出やすい事につながっていると考えられます。
男性より女性の方が抗体量が多い
ワクチンの抗体量には性別も影響すると考えられています。
結論を申しますと、男性に比べ女性の方が抗体量が高くなっている傾向があり、副反応も女性の方が多く報告されています。5月30日までのファイザー製ワクチン副反応報告件数は、男性1911件に対して女性8728件と女性の方が約4.5倍も多いというデータがあります。
この副反応の多さは一概に「危険度を示すデータ」ではなく、抗体を作る上で体がしっかり反応している指標のひとつと考えて良いと思います。
なので抗体量が多い事と副反応の多さは相関性があるんじゃないかというのが僕の見解です。
完全な憶測ではありますが、妊娠した時に子供守る為に男性より女性の方が免疫機能等は強いのかもしれないですね。
飲酒によって抗体量が低くなる可能性
飲酒に関しては明確な理由は分かりませんが、この千葉大の調査では「毎日飲酒する人は全く飲酒しない人より20%も抗体量が少なかった」というデータが出ています。
飲酒による獲得免疫の影響という点を僕なりに解説すると、「抗体を作る上で重要な樹状細胞やリンパ球の働きがアルコールによって低下する。」という事ではないかと考えています。
マクロファージがアルコールによって活性が低下すると、マクロファージの働きも一緒に低下すると言われています。更にアルコールはリンパ球にも影響を与えると考えられているので、これらが抗体量の低下につながっているのではないかと思います。
免疫抑制剤やステロイドの内服は抗体量を低くする可能性
服用している薬剤についてですが、これが僕ら薬剤師が患者さんから質問される1番多い事です。
今回は「この薬を飲んでいたらワクチン打つのは危険!」とかそういう話はしません。抗体量だけを考えてお話しようと思います。
千葉大の調査結果では、免疫抑制剤や副腎皮質ステロイドを内服している患者さんの抗体量は少ないという調査結果だったそうです。
両者とも免疫力を抑え込む作用があるのでそりゃそうだろなっていう結果ですが、ステロイドに関しては大量に内服していなければ充分な量の抗体を作る事が出来るという報告もありました。
免疫抑制剤などは中止するのが難しいと思うので、しっかりとDrの判断を仰いで理解した上で摂取して頂くことが重要だと思います。
抗ヒスタミン薬は抗体量を低くするとは考えにくい
これらの薬の以外にも抗ヒスタミン薬を飲んでいる場合の質問も良く聞かれることがあります。
抗ヒスタミン薬によって抗体量が減る事は報告されてませんし、示唆されてもいません。
そもそも抗ヒスタミン薬は体の中の免疫機構を抑え込むようなものではなく、ヒスタミンという物質の受容体を遮断するだけなので末端の伝達を閉ざすような薬です。
抗体を作る作らないなんていう免疫機構の中枢まで作用が届かないので、「ワクチンによる抗体量を減らす事は考えにくい」という結論でよいかと思います。
↓抗体量が多い人の特徴↓
コメント