どうも、シンパパ薬剤師Kです。
今日は脂質異常症の治療薬、スタチン系のお話です。
その中でもストロングスタチンにフォーカスを当ててお話ししようと思います。
これから薬剤師になる方はまだ知らないと思いますが、スタチン系の処方は殆どストロングスタチンです。
国家試験の勉強では色んな〇〇スタチンを見てきたと思いますが、とりあえず覚えておきたいのはストロングスタチンのアトルバスタチン(リピトール)、ピタバスタチン(リバロ)、ロスバスタチン(クレストール)です。
ガイドラインではこの3種について使い分けの記載がないので、極端な差はないと考えてよいと思います。
アトルバスタチン
アトルバスタチンの特徴は使用実績の豊富さです。
ストロングスタチンの中で最初に登場し、世界で広く使われています。
その実績の多さからアムロジピンとの配合剤「カデュエット」が登場しています。
ピタバスタチン
ピタバスタチンの特徴は代謝酵素による影響の少なさです。
ピタバスタチンの代謝にCYPはほとんど関与していません。
K
クラリスなどのCYP阻害薬を併用する場合は、ピタバスタチンが適しています。
ロスバスタチン
ロスバスタチンの特徴はシンプルにその 強さ です!
ストロングスタチンの強さの関係は、
アトルバスタチン10mg=ピタバスタチン2mg=ロスバスタチン2.5mg
て感じです。
ちなみに最大用量は、「アトルバスタチン40mg・ピタバスタチン4mg・ロスバスタチン20mg」なので、上の関係性と併せて考えると8倍まで行けるロスバスタチンが一番強い効果を期待できますね。
最大用量時の強さは、
ピタバスタチン(2倍)<アトルバスタチン(4倍)<ロスバスタチン(8倍)
という事になりますね。*()内の数字は上の「強さの関係性で用いた量に対する最大用量の倍率」です。
シクロスポリンとの併用
スタチン系とシクロスポリンの併用については、文献などでしばしば目にすることがあると思います。
ネフローゼ症候群の治療でシクロスポリンが用いられる事があるのですが、ネフローゼ症候群は高LDL血症を起こしやすい病態なのでスタチン系とシクロスポリンの併用は実際にあり得ますので、使える薬だけでも認識しておくと良いですね。
結論から言うとストロングスタチンは併用出来ません。
添付文書上、アトルバスタチンは併用注意なので使えることになっているんですが、AUCが8.7倍になるんですよ。因みに、併用禁忌のピタバスタチンが4.6倍・ロスバスタチンが7倍です。
禁忌ではない併用注意のアトルバスタチンのAUCが一番増加してしまうよく分からない事になるんですよ。だから僕は実質併用禁忌だと思っています
アトルバスタチンを併用不可だとすると、
シクロスポリンと併用できるのは、フルバスタチン(ローコール)だけです!
これは覚えておくと良いかもしれませんね。
スタチン系がダメならフィブラート系じゃダメなんですか?
ネフローゼ症候群で起きやすいのがLDLが高い状態。
LDLが高い時にはスタチン系が推奨されています。
フィブラート系はTGが高い状態やHDLが低い状態に効果的とされています。
なるほど、だからシクロスポリンとスタチンを併用する場面が出てくるんですね。
以上、「【明日から薬局で使える】ストロングスタチンの比較」でした。
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