【薬剤師解説】どう違う?どれがいい?ロキソニンSシリーズの違い

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医薬品

どうも、シンパパ薬剤師Kです。
今回は医療関係者以外へ向けて市販薬についてまとめていこうと思います。

今回まとめていくのは頭痛や歯の痛みなどで使ったことのある人がたくさんいるであろうロキソニン(ロキソプロフェン)ですが、市販薬にはいくつか種類があるのでどれがいいのか迷ったことはありませんか?

各薬剤の特徴と僕個人の意見を踏まえて紹介していくので、どれが良いか悩んでいる人は是非チェックしてみてください!

ロキソニンSシリーズの概要

ロキソプロフェンを含んでいるロキソニンSですが、市販されているロキソニンSシリーズは4種類あります。

・ロキソニンS
・ロキソニンS plus(プラス)
・ロキソニンSクイック
・ロキソニンS Premium(プレミアム)

どの種類も1回あたりのロキソプロフェンの量は同じです。(1回60mg)

ロキソプロフェンの他に胃に優しい成分」「錠剤が崩壊しやすい添加物」「鎮痛効果を補助してくれる成分などが入っている事が各薬剤の違いになります。

結論!僕ならこれを選ぶ!!

先に結論を申し上げますと、僕はシンプルに「普通のロキソニンS一択」です。

え!?色んな成分が入っているやつの方が効くんじゃないの??

って思うかもしれませんが僕は普通のロキソニンSで充分だと思っています。
超個人的な意見ではありますが何故そう思っているのか順を追って解説します。

ロキソニンSシリーズ比較表

では実際にどの薬剤になんの成分が入っているのか比較してみましょう。

・酸化マグネシウム:制酸作用により胃腸障害を軽減
・メタケイ酸アルミン酸マグネシウム:制酸作用により胃腸障害を軽減 + 胃粘膜保護作用
・無水カフェイン:鎮痛作用の補助
・アリルイソプロピルアセチル尿素:鎮静作用

やはりこうやって横並びにすると、ロキソニンS PREMIUMには様々な成分が入っている事が分かりますね。

普通のロキソニンSで充分だと思う理由

K
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ではなぜ僕が普通のロキソニンSで充分だと思うのか、その理由を簡単に説明します。
薬剤師という視点ではありますが、超個人的な見解ですので必ずしも正しい見解とは限りません。僕とは異なる考えもあるという事をお理解頂いた上でご覧ください。

理由1:そもそもロキソプロフェンが優秀

ます1つ目の理由はそもそもロキソプロフェンが優秀だという点です。
「ロキソニンって胃腸を荒らしやすいんじゃないの?」とお思いの方も多いと思いますがボルタレン(ジクロフェナク)などのNSAIDsに比べてロキソプロフェンは胃腸障害が少ないです。(インタビューフォームの使用成績調査では1.36%)
更に言えば、「たまに痛み止めを痛いときに飲む」位の使用頻度ではそもそも胃腸障害は現れにくいです。
そして元々の吸収も非常に早く、投与から30分ほどで最大血中濃度に達します

肝心の鎮痛作用においても医療用でかなり頻用されている事を考えれば信用がおけるでしょう。

理由2:他の成分の量が少なすぎる

第2の理由は含有しているロキソプロフェン以外の成分量が少ないという事です。
胃を守る目的で含有している酸化マグネシウムとメタケイ酸アルミン酸マグネシウムですが、これらの通常用量はロキソニンSシリーズに含まれる量とはかなり開きがあります

ロキソニンS plusに含まれている酸化マグネシウムの量は1回あたり33.3mgですが、制酸剤として使われる酸化マグネシウムの用量は1日500~1000mgです。
ロキソニンS QuickとPREMIUMに含まれているメタケイ酸アルミン酸マグネシウムは1回あたり100mgですが、制酸剤として使われるメタケイ酸アルミン酸マグネシウムの用量は1日1500mgを超えます
「そもそも頓服で使うロキソニンの胃腸障害の可能性は高くない上に、どこまで効果が期待できるか分からないほど少量のマグネシウム製剤に期待できなくない?」と考えています。

また、ロキソニンS PREMIUMには無水カフェインも含まれますがこれも少なめです。
ロキソニンS PREMIUMには50mgの無水カフェインが含まれますが、コーヒー1杯で摂れるカフェインの量は40mgと言われていますので普段の生活で50mg以上のカフェインを摂取することは難しくありません。
普段からコーヒーを常飲している人からすると、一時的に50㎎の無水カフェインを摂っても特に変わりないという可能性が高いです。

K
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因みにロキソニンS PREMIUMに入っているイソプロピルアセチル尿素は医療用の解熱鎮痛剤であるSG配合顆粒と同用量ですが、眠気の原因にもなります。

理由3:イソプロピルアセチル尿素による眠気

3つ目の理由は眠気の有無です。
ロキソニンS PREMIUMに含ませるイソプロピルアセチル尿素の作用には眠気があります。
というより眠気がこの成分の主な作用です。

鎮静剤や抗てんかん薬であるバルビツール酸系と似たような構造を持ち、軽度ではありますがバルビツール酸系と同様の作用を持ちます。
ですので、鎮静作用で痛みを誤魔化すといった表現が近いかもしれません。
このイソプロピルアセチル尿素は医療現場から殆ど姿を消していますので「ロキソニンなどの痛み止めと併せると鎮痛効果がめっちゃ上がるという実績が無い」と考えて良いと思います。
実績があれば今でも使われていると思いますし、特に論文も見つけられませんでした。

今回紹介していない副作用も考慮すると、鎮痛の補助の為に眠気や副作用の恐れが有るイソプロピルアセチル尿素を服用するのは微妙かなと僕は考えています。

理由4:すぐ溶ける錠剤でもあまり意味が無い

これはロキソニンS QUICKの速やかに崩壊するといった特徴に関してです。
先述したようにロキソプロフェンは元々吸収がとても早く30分で最大血中濃度に達します。
錠剤が速く崩壊しても著しく体内の吸収が速くなるという事も考えにくいです。(多少は速くなるかもしれないが。。)

個人的な見解ではありますが、ロキソプロフェンが酸性NSAIDsだという事を考えると胃内pHが低い方が分子型が増えて吸収が上がるのではないかと思うんですよね。
「そう考えると下手に制酸剤で胃内pHを上げない方が吸収が速いんじゃない?」と思う訳です。
つまりこの仮説が正しかった場合、「制酸剤が含まれていない普通のロキソニンSが一番吸収が速い」という可能性すらあるのです。(*個人的な見解です。)
胃内pHと薬の吸収に関しては時間があるときに調べておこうかな。。

これらの理由から僕は「普通のロキソニンSで充分」だと考えています。
当然この僕の考えには賛同できない方もいらっしゃると思います。
テキトーな事を書いているつもりはありませんが、どの意見を取り入れるかは自分でしっかりと考えてから答えを出すようにしてください。

医薬品に関しては様々な情報がネットに転がっていますので、分からなかったら普段行く薬局の薬剤師や知人の薬剤師などに相談することをオススメします。

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