どうも、シンパパ薬剤師Kです。
皆さんは検査値は得意ですか?
僕はあんまり得意じゃないのでメモ帳に検査値リストを貼って逐一確認してます。
最近の処方箋は検査値を載せてくれているものが増えてきていますよね。
うちの薬局の近くにある大型病院の処方箋にも検査値が載っています。
薬剤師としては非常にありがたいですよね。
多くの検査値が載っている中で、我々薬剤師が真っ先に見るのは腎機能と肝機能。
添付文書でも腎機能障害のある患者については、用量の注意がなされていますよね。
その腎機能評価として良く用いられるのが、
Ccr(クレアチニンクリアランス)とeGFRです。
皆さんはCcrとeGFRの違いについてご存じでしょうか?僕は正直言ってハッキリ分かっていませんでした。
意味合いが非常に近い2つの何が違うのか解説していきます。
Ccr(クレアチニンクリアランス)
Ccrはクレアチニンを1分あたりどれだけ排泄出来ているかを数値化したものです。
腎機能が良好であれば多くのクレアチニンを排泄出来るのでCcrは高くなり、逆に腎機能が悪ければCcrは低くなります。
Ccrは血清クレアチニン値が分かれば、年齢と体重と組み合わせることで計算することができます。
その際に用いるのがCockcroftーGaultの式です。
CCr=(140-年齢)×体重/(72×血清クレアチニン値) *女性は0.85倍
この式を使えば簡単にCcrは求められます。
ですが、このCcrは正確に出てこない事が良くあるんですよ。
元々クレアチニン自体が筋肉から産生される内因性の物質なんですが、筋肉の多い人だと多く産生されるので、実際の腎機能より悪い数値が出てしまうんです。
更に計算式自体に年齢と体重が組み込まれている為、高齢者は実際より悪い数値が、肥満体型だと実際より良い数値が出てしまいます。
じゃあ「なんでそんな誤差が出る物使ってんの?」って話なんですが、腎機能を評価するスタンダードな数値はイヌリンクリアランスなんですね。
イヌリンは糸球体でろ過された後は、吸収、分泌がされないのでイヌリンクリアランスはGFRとほぼ同じとされています。
このイヌリンクリアランスがメインで使われていない理由は、測定が煩雑で日常的に行うには適していないからです。
CCrより適正な評価が期待できるeGFR
本当はイヌリンクリアランスが良いけどCcrを代用して治療の参考にしていたのですが、近年では体表面積で補正を掛けるeGFRが主流になっています。年齢と血清クレアチニン値で推算した値を体表面積で補正するのでCcrより腎機能を正しく評価できるとされています。
ただこちらも年齢と筋肉量で誤差が生じてしまう欠点は残っています。
eGFRの計算式の単位はmL/min/1.73m2となっていますが、
この最後の「1.73m2」は170㎝63kgの体格で補正されている事を意味します。
なので、患者さんごとの体表面積で補正して真のGFRに近づけて薬の用量設定をすることが望ましいです。
まとめ
・糸球体濾過量≒イヌリンクリアランス
・イヌリンクリアランスを求めるのは煩雑なため、日常的にはCcrやeGFRが使われる
・Ccrは年齢・体重・筋肉量など、eGFRは年齢・筋肉量などで誤差が生じる
・eGFRは体表面積で補正するためCcrより正確な数値が期待できる
・高齢者と筋肉質な人は実際より悪い数値に、肥満体型だと実際より良い数値になりやすい。
今現在の添付文書ではCcrを基準とした用量設定が多いですが、実際にはeGFRで腎臓の評価をすることの方が主流になってきているそうです。
また、eGFRは大体Ccrの70~80%くらいの数値になる事が多いです。
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