【薬の比較シリーズ】鉄剤「フェルム」「フェロミア」「フェロ・グラデュメット」の特徴とは?

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医薬品

どうも、シンパパ薬剤師Kです。

今回は鉄剤の特徴をまとめていこうと思います。

ざっくりとした特徴

・カプセルが大きいが、消化器SE少な目で1日1回で良いフェルム
・消化器SEは多めだが、お茶や胃酸の影響が少ないフェロミア
・錠剤が小さいフェロ・グラデュメット

こんな感じの特徴です。

鉄剤の共通事項

鉄剤は、お茶やコーヒー、制酸剤により吸収が低下することが有名です。
お茶やコーヒーに含まれるタンニン酸は鉄剤とキレートを形成して吸収が低下します。
鉄の吸収は、pHの影響を受けます。制酸剤によってpHが上がると鉄剤の吸収が低下してしまうので、H2ブロッカーなどを服用している場合は吸収が低下してしまう恐れがあるため注意が必要です。

主な副作用は、吐き気や下痢など消化器系の副作用が多いです。

治療効果の違い

治療効果自体に殆ど違いはないとされています。

適応にも違いはないので、使い分けるとしたら併用薬や飲みやすさなどで使い分けます。

フェルム(フマル酸第一鉄)

フェルムは、この中で唯一のカプセル剤です。
カプセルの中の顆粒が徐放性の製剤なので、脱カプセル可能です。
1日1回で良いのもフェルムの特徴です。食事の影響はありません。

また、徐放性のおかげなのか他の鉄剤に比べて消化器系の副作用が少ないです。
実際に処方している医師からも副作用が少ないという声が挙がっています。

フェルムのマイナス点は、カプセルが大きい事です。
カプセルのサイズは1号です。
内径は6.5㎜で長さ19㎜です。今回比較する2剤と比べても結構でかいです。
飲みづらい大きさではありますが、嚥下に問題があっても脱カプセルすればOKなので一応対応できます。

フェロミア(クエン酸第一鉄)

1日100~200㎎を1~2回に分けて食後に服用します。

鉄剤の中で断トツのシェアを誇るのがフェロミアです。

選ばれる理由は、エビデンスの多さ顆粒があること、胃切除の患者や制酸剤との併用があまり問題にならない事が挙げられています。
pHの影響も少なく、タンニン酸とのキレートも作りにくい為、吸収に影響出にくい特徴があります。
その反面、消化器系の副作用が多い実感もあるそうです。
GEも発売していて価格も安く「とりあえずフェロミア」っていう考えもあるようです。

フェロミアのサイズは、直径10.3㎜高さ5㎜でフェルムに比べてかなり小さいです。
それでも飲みづらい場合は顆粒という選択肢があるので、色んな患者さんに適応できるのが人気の理由のひとつですね。

フェロ・グラデュメット(硫酸鉄)

フェロ・グラデュメットは1日2回空腹時に服用し、副作用が強く出る場合は食直後に変更します。
胃酸が少ない状態だと吸収率が2/3に低下し、緑茶で服用すると吸収率が1/2になってしまいます
消化器系の副作用の発現率フェロミアより少なくフェルムよりちょっと多い感じです。

錠剤のサイズは、直径9.9㎜高さ3.8㎜でかなり小さいです。

貧血患者へはお茶などの相互作用はあまり気にしなくて良い?

貧血治療も進んできて、「貧血状態では、鉄の吸収が亢進している」ので錠剤をお茶で飲んでも貧血治療には大きく影響しないことが分かっています。
勿論、お茶を飲まないほうが高い効果が期待できるとは思いますが、厳密にお茶の制限をする必要はないそうです。

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