【SDAの比較】インヴェガ・リスパダール・ルーラン・ロナセンを比較してみた!(一覧表あり)

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医薬品

どうも、シンパパ薬剤師Kです。

今回はメンタル系のお薬です。
メンタル系って難しいですよね。簡単に比較できるようにまとめてみましたので良かったらご活用下さい。

SDA比較表

SDAは、「セロトニン・ドパミン時拮抗薬」です。
ドパミンD2受容体とセロトニン5-HT2受容体を遮断することで効果を発揮します。
治療効果自体はSDA4種間に大きな違いはありません。
ですが、各受容体への親和性に違いがあるので、そこで多少の違いがあります。
ドパミン拮抗薬で問題となる錐体外路症状ですが、SDAは比較的錐体外路症状が出にくい作りになっています。

インヴェガ(一般名:パリペリドン)

インヴェガは、リスパダールを改良して作られた薬です。
特徴は1日1回朝食後で開始量がない」・「半錠不可」・「錠剤の不溶性成分が糞中に排泄されるという3点です。

1日1回朝食後

インヴェガは、特別な徐放錠で1日1回で1日効果が続く薬です。

ただ、食事の影響があるので食後である必要があります。空腹時だと効果が下がります。
夕食後に服用すると、睡眠中に副交感神経が優位になりすぎて早い段階で排泄されてしまう恐れがあるので、朝食後である必要がありますので注意してください。

また他のSDAと違い開始量が設定されていません初めから治療域での投与が可能です。
徐放性製剤で体内の濃度も安定しており副作用の発現も比較的少ないお薬です。

半錠不可

特別な作りの徐放剤なので半錠や粉砕は出来ません。

錠剤の不溶性成分が糞中に排泄される

徐放錠の不溶性成分が糞中に排泄されますが問題はないので服薬指導時に問題ないことを伝えましょう。

リスパダール(一般名:リスペリドン)

リスパダールの特徴は、使用実績が多い」・「小児の易刺激性に適応がある」「CYPにより個人差がでる」・「食事の影響を受けないという4点です。

使用実績が多い

リスパダールは他のSDAより世界で広く使われておりデータが豊富です。
他の向精神薬との有効性や安全性のデータや、妊婦へのオーストラリア基準も設定されています。

小児の易刺激性に適応がある

SDAで唯一リスパダールだけが「小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性」に適応があります。

CYPにより個人差が出る

CYP2D6によって活性化されて薬効を示すため、効果発現に個人差が出ます。
用量のコントロールに個人差が出てしまうのはマイナス点ですね。

食事の影響を受けない

他のSDAは食事の影響があるため、食後投与の必要がありますがリスパダールには食事の影響がありません。
朝食を摂るのが不規則な方もいるので、食事の影響がないのは大きいメリットですね。

ルーラン(一般名:ペロスピロン)

ルーランの特徴は、5-HT1A受容体への作用」・「半減期が短い1日3回食後投与という3点です。

5-HT1A受容体への作用

ルーランは、他のSDAに比べて5-HT1A受容体への作用が強いです。
この5-HT1A受容体への作用は、「錐体外路症状の軽減」と「抗うつ・抗不安作用」があります。

半減期が短い

ルーランの半減期は5~8時間で短めです。
せん妄にも使われ、持ち越しのリスクが少ない特徴があります。

1日3回食後投与

他のSDAより服用回数が多いです。
食事の影響も受けるのでしっかり毎食食べて薬も飲むように指導しましょう。

K
K

精神疾患の患者さんは、生活が不規則になっていたり、食事も摂ったり摂らなかったりしている可能性もあるのでしっかり伝えましょう。

ロナセン(一般名:ブロナンセリン)

ロナセンの特徴は、余計な作用が少ない」・「小児適応がある」・「CYP3A4への寄与が高いという3点です。

余計な作用が少ない

ロナセンは、アドレナリンα1受容体やヒスタミンH1受容体への作用が弱く他のSDAで発生する起立性低血圧や体重増加や食欲増進といった副作用が出にくいです。
女性は特に男性より体重増加などは凄く気にすると思います。

そういったことがストレスにもなりますので結構重要なポイントだと思います。

小児適応がある

ロナセンには、小児用量も設定されており小児の統合失調症に使うことが出来ます。

小児に使う場合は、1回2㎎、1日2回食後投与で開始し1週間以上の間隔で増量。
維持量は、1日量8~16㎎で1日2回に分けて投与する。1日16㎎は超えないこと。

CYP3A4への寄与が高い

CYP3A4による代謝の寄与が高い為、グレープフルーツジュースを飲むとCmaxとAUCが1.8倍にまで増加します。

また、CYP3A4を阻害する薬物(イトラコナゾールやリトナビルなど)と併用禁忌になっていますので注意が必要です。

簡単にまとめると・・

・1日1回で個人差の少なく血中濃度が安定のインヴェガ
・食事の影響を受けず、使用実績が多く対処しやすいリスパダール
・錐体外路症状が少なく、抗不安作用のあるが服用回数の多いルーラン
・余計な副作用は少ないが、CYP3A4関係の併用に注意が必要なブロナンセリン

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