どうも、シンパパ薬剤師Kです。
今回は薬剤師国家試験でも使える検査値について纏めていきます。
臨床においても腎機能の指標としてよく使われますのでしっかりと抑えておきましょう!
BUN(血中尿素窒素)
基準値:8~22mg/dL
BUN(血中尿素窒素)は、食事で摂取したタンパク質や筋肉などのタンパク質が代謝によって生じる尿素に含まれる窒素の量のことです。
Scr(血清クレアチニン)に比べ、食事などの腎外性の影響を受けやすいのが特徴です。
BUNは腎臓で排泄されるので腎機能が悪化しても増加しますが、腎臓への血流量が減っても排泄される量が減るのでBUNは高値になります。
逆にBUNが低値になる原因としては肝障害や妊娠が挙げられます。
BUNは肝臓でアンモニアから変換されるので肝障害でBUNが低下すると考えられます。
腎機能以外でBUNに影響を与える主な原因は下記の通りです。
・BUNが高値になる原因 ①循環血流量の低下 下痢、嘔吐、脱水、心不全、利尿薬服用 ②尿素窒素産生の亢進 高たんぱく食、消化管出血 ③タンパク異化亢進 火傷、高熱、重症感染症、ステロイド投与など ・BUNが低値になる原因 低たんぱく食、妊娠、肝不全、多尿など
ポイントは体内の循環と炎症反応ですね。
体内の循環が悪くなって腎での濾過量が減ったり、炎症が起きてCRPが増えるとBUNも一緒に上昇するイメージで大丈夫そうです。
Scr(血清クレアチニン)
男性の基準値:0.6~1.10mg/dL 女性の基準値:0.45~0.8mg/dL
クレアチニンは、クレアチンリン酸から筋肉で非酵素的に生成されて再吸収されることなく尿中に排泄されるアミノ酸の分解物です。
筋肉量に比例するので、マッチョは実際の腎機能より高い数値になりますし、高齢者などの筋肉量が少ない人は実際の腎機能より低い数値になる事を考慮する必要があります。
BUNと同様に脱水や心不全によって腎臓への血流量が低下するとクレアチニンが濾過されずScrが上昇しますが、BUNに比べてScrは腎外性の影響を受けにくいです。
Scrに影響を与える主な原因は下記の通りです。
・Scrが高値になる原因:大部分はGFRの低下によるもの ①腎性因子:糸球体腎炎、腎不全 ②腎前性因子:脱水、心不全、浮腫 ③腎後性因子:尿管閉塞、前立腺肥大(糸球体有効濾過圧低下の為) ・Scrが低値になる原因 筋肉量の低下、GFR上昇によるもの(初期の糖尿病性腎症、妊娠)
妊娠によるGFR上昇に伴うScr低値は青本では赤字になっているので薬学生は要チェックです。
BUNとScrはどちらも腎障害の指標として有名な検査値ですが、それぞれ変化する原因に若干の違いがあります。
これらの違いからBUNとScrの比(BUN/Scr)を求める事で、BUNとScrの上昇理由を探ることが出来ます。BUN/Scrは非常に有益な情報ですので別の記事で紹介します。
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