【AST・ALT・γ-GTP・ALPなど】肝臓の検査値まとめ

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検査値

どうも、シンパパ薬剤師Kです。
今回は肝臓の検査値についてまとめていきます。
健康診断の結果を見るのに使ったり、普段の処方解析にも使えると思います。

肝臓の働き・肝障害について

肝臓の働きは多彩で、3大栄養素の代謝・グリコーゲンの貯蔵、放出・ビタミンの貯蔵・解毒・胆汁酸の産生・血液の貯蔵・ホルモンの破壊などがあります。
このように様々な働きがあるため、肝臓に障害が発生すると全身に症状が出ます。
肝障害時の主な自覚症状は、倦怠感やかゆみ・黄疸などですが、症状があらわれにくい事から「沈黙の臓器」とも呼ばれます。
肝臓自体は、多少の損傷であれば自分で再生する能力を持っています。

AST(GOT)・ALT(GPT)

基準値は、AST(GOT):13~32IU/L ・ ALT(GPT):6~30IU/L

AST、ALTともに様々な臓器に存在するが、特に肝臓に多いので肝機能の検査値として用いられます。
これらは細胞が破壊されると血液中に出てきます。

AST/ALT比

ASTとALTでは、ALTの方が肝臓の特異性が高い為、両者の比率から疾患の種類を絞り込めます。

・AST/ALT>1→アルコール性肝炎・肝硬変・溶血など
・AST/ALT<1→慢性肝炎・脂肪肝・ウイルス性肝炎の回復期

γ-GTP

基準値は、男性10~50IU/L・女性9~32IU/L

γ-GTPは腎臓に最も多い物質ですが、腎臓疾患で上昇することはほとんどなく、肝臓疾患や胆道系の異常で上昇することが多いです。
アルコールとの相関性が高い為、アルコール性肝障害の診断には欠かせないものになっています。

慢性・通常肝炎の場合は、ビリルビンが上昇しγ-GTPは上昇しません。
肝臓がんの場合は逆に、ビリルビンが上昇せずγ-GTPが上昇します。

血清総タンパク(TP)

基準値は、6.4~8.0g/dL

血清タンパクの増減から、主に肝臓や腎臓の疾患の病態を知ることが出来ます。

血清タンパクは1日で数値が変動します。一般的に朝が低く夕方が高くなります。
また、夏には低くなり冬に高くなる傾向もあります。

血清タンパク分画

基準値は、
アルブミン:57~69%
α-グロブリン:2~4%
α-グロブリン:6~12%
β-グロブリン:6~10%
γ-グロブリン:11~24%

血清タンパク検査で異常が見つかっても疾患を絞れない場合に、血清タンパク分画の検査を行います。
血清タンパクのほとんどは、アルブミンと4種のグロブリンなので、それらの変動を見て診断の指標にします。

アルブミン/グロブリン比(A/G比)

アルブミンとグロブリンの比率は65:35前後です。
血清総タンパクが基準値内でもバランスが崩れていれば肝機能障害が起きている可能性があります。
A/G比の基準値は、1.1~2.0で肝機能の異常があるときは低値になります。

ビリルビン(Bil)

基準値
総ビリルビン:0.2~1.2㎎/dL
直接ビリルビン:0.5mg/dL未満
間接ビリルビン:0.8mg/dL未満

肝機能の異常がみられる場合に、疾患を判断するために使われます。
肝臓で処理される前のビリルビンを間接ビリルビンといい、処理された後のビリルビンを直接ビリルビンといいます。

アルカリフォスファターゼ(ALP)

基準値は、IU/L

ALPとそのアイソザイム検査をすることによって、原因疾患を探ることが出来ます。
ALPは肝臓に多く分布している他、小腸や骨、胎盤などにも多く分布しています。
ALPのアイソザイムの動向を調べると障害が起きてる臓器を絞りこめます。

検査値
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