どうも、シンパパ薬剤師Kです。
薬歴にハイリスク薬の副作用とか確認したこと書くと思うんですけど、結構同じ事しか確認してないなあって思う事ありませんか?
そんなハイリスク薬について確認すべき内容をまとめていこうと思います。
今回は「低血糖」や「消化器SE」の確認になりがちな糖尿病治療薬編です。
アマリール(グリメピリド)
SU薬なので低血糖にばかり注意が向いてしまいますが、他に気を付けるべき内容はこちら。
・長期投与による二次無効
・肝障害による疲れや動悸、息切れ
・光線過敏症
・無顆粒球症による長引く風邪様症状
血糖降下作用が増強する薬
・ワーファリン ・β遮断薬 ・クラリスロマイシン ・フィブラート系 など
血糖降下作用が低下する薬
・副腎皮質ステロイド薬 ・利尿薬 ・リファンピシン など
スターシス/ファスティック(ナテグリニド)
気を付けるべき副作用
・肝障害・腎障害で血糖降下作用増強 ・心筋梗塞の発現
あまり知られていないかもしれませんが心筋梗塞の発現が報告されています。
患者さんの聞き取りに注意する必要があります。
血糖降下作用が増強する薬
・アスピリン ・フィブラート系 ・ワーファリン ・β遮断薬 など
血糖降下作用が低下する薬
・副腎皮質ステロイド ・利尿薬 ・クロルプロマジン など
アクトス(ピオグリタゾン)
気を付けるべき副作用
・劇症肝炎 ・浮腫によるうっ血性心不全 ・貧血 ・体重増加 ・膀胱がん(定期的な尿検査が重要)
血糖降下作用が増強する薬
・アスピリン ・フィブラート系 ・ワーファリン ・β遮断薬 など
血糖降下作用が低下する薬
・副腎皮質ステロイド ・リファンピシンなどのCYP2C8を誘導する薬剤 など
劇症肝炎や心不全など低血糖以外にも大きな副作用があるので、服用中は肝障害や心不全の恐れを考慮して経過観察する必要があります。
ベイスン(ボグリボース)
気を付けるべき副作用
・腹部膨満感 ・放屁の増加、下痢 ・食欲不振 ・褐色尿や黄疸などの肝障害
ベイスンなどのαグルコシダーゼ阻害薬は直接的に血糖降下作用に影響が出るような組み合わせがないので非常に使いやすい薬剤です。
更にボグリボースとアカルボースは消化管から殆ど吸収されない為、透析患者にも用量の調節なく使える薬剤です。
ただし、ミグリトールは透析患者では副作用の発現が上昇してしまう為、注意が必要です。
メトグルコ(メトホルミン)
気を付けるべき副作用
・乳酸アシドーシス(強い倦怠感、吐き気、下痢、筋肉痛など) ・腎障害 ・肝障害
血糖降下作用が増強する薬
・アスピリン ・β遮断薬 など
血糖降下作用が低下する薬
・副腎皮質ステロイド ・利尿薬 ・ニコチン酸 ・イソニアジド など
比較的使われることの多いメトグルコですが、尿酸アシドーシスに注意が必要です。
CT検査などでヨード造影剤を使う場合はメトホルミンを服用していることを必ず伝えるように指導しましょう。
ジャヌビア(シタグリプチン)
気を付けるべき副作用
・急性腎不全(浮腫、倦怠感、悪心嘔吐など) ・肝機能障害(黄疸、発疹、発熱、吐き気など) ・間質性肺炎(咳や熱などの風邪様症状) ・急性膵炎(激しい腹痛、嘔吐など)
血糖降下作用が増強する薬
・アスピリン ・β遮断薬 など
血糖降下作用が低下する薬
・副腎皮質ステロイド ・甲状腺ホルモン など
ジゴキシンと併用することでジゴキシンの作用を増強させるので注意が必要です。
また、インスリン製剤やSU薬との併用で重篤な低血糖を起こすことがあるので注意が必要。
スーグラ(イプラグリフロジン)
気を付けるべき副作用
・尿量増加に伴う脱水症状 ・尿路感染症 →腎盂腎炎や敗血症 ・頻尿や尿量の変化
血糖降下作用が増強する薬
・アスピリン ・β遮断薬 など
血糖降下作用が低下する薬
・副腎皮質ステロイド ・甲状腺ホルモン など
SGLT-2阻害薬は利尿薬の作用を強めたり。腎臓への負荷が大きく腎不全患者への投与は禁忌となっています。
腎不全でなくても、投与後の腎機能低下が著しい場合は継続を中止する必要があるため定期的な腎機能検査が必要です。
ビクトーザ(リラグルチド)
気を付けるべき副作用
・下痢や便秘、胃の不快感 ・激しい腹痛、嘔吐など
自己注射が必要な製剤なので経口糖尿病治療薬に比べて患者さんにとってはハードルが高い薬剤です。
GLP-1受容体作動薬はインスリン分泌促進作用以外にも心保護作用や食欲低下作用もあるので、単に血糖値を下げるだけではなく様々なメリットが期待できます。
糖尿病治療薬共通の注意事項は低血糖ですが、薬によって注意する内容が違います。
特にSU薬やグリニド薬では低血糖が起きやすく、体調が悪く食事量が少ない時など十分な注意が必要です。
自分が飲んでいる薬に対してどのような対応が必要かしっかり患者に指導しましょう。
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