良く使われる胃粘膜保護薬である3種を比べてみました。
セルベックスとムコスタはほぼ同じ使われ方をしていますよね。
ガスロンもぼちぼち処方されるので今回はガスロンも一緒に調べていきます。
簡単にまとめると
・適応は同じ ・用法はガスロン1~2回、セルベックスとムコスタは3回 ・薬物動態がロキソニンに近いのはムコスタ ・セルベックスは食事の影響がある
適応
まずは適応を見ていきましょう。
適応は3剤とも同じです。
・胃潰瘍 ・下記疾患の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善 急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期
病状によって使い分けるようなことはなさそうですね。
用法
用法は少し異なります。
・ガスロン:1日4mを1~2回に分けて投与 ・セルベックス:1日150mgを3回に分けて投与。適宜増減 ・ムコスタ:1回100mgを1日3回投与。
ガスロンは1日1回or2回です。
エトドラクやセレコックスのように分2のNSAIDsと一緒に使われているのを見たことがあります。
その処方をされている先生はNSAIDsの用法に合わせて胃粘膜保護薬を選択しているようです。
剤形
・ガスロン:素錠、OD錠、細粒 ・セルベックス:カプセル、細粒 ・ムコスタ:素錠、顆粒
ガスロンN・OD錠は水なしでも飲めますが、水なしで飲むとTmaxが長くなり微妙にAUCが下がります。
一応治療効果に影響があるほどのものではないそうです。
TmaxとT1/2
セルベックスのT1/2は記載がなかったんですが、添付文書の動態をみると恐らく2~3時間ですね。
ロキソニンと一緒に使うのであれば、ムコスタが一番動態が近いですね。
食事の影響
・ガスロン:データなし ・セルベックス:空腹時にAUC約23%減 ・ムコスタ:影響なし
ガスロンはデータがないんですが、多分食事の影響はきにしなくて大丈夫なんじゃないかと思います。
ガスロンの特徴
ガスロンは好中球からの活性酸素の産生抑制があり、抗炎症作用を持ちます。 保険適応外にはなりますが、口内炎や歯周病に使われることがあります。
そもそもNSAIDsの胃腸障害に対して効果は弱い?!
当たり前にNSAIDsの胃腸障害の予防として一緒に処方されてますが、正直胃腸障害予防に対する期待値は低いです。
胃腸障害に対してはH2ブロッカーの方が効果を示すという文献もあり胃粘膜保護薬は気休め程度にしかならないかもしれません。
それでも無いよりはマシだと思うので、処方が出たら患者さんに一緒に飲むように指導しましょう。
やっぱりロキソニンにはムコスタが無難!
効果が弱いかもしれませんが実際に一緒に出るこの処方。
食事の影響や動態が近い事を考えると、やっぱりロキソニンにはムコスタが一番合っていそうですね。
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