【心不全の基礎】心不全の症状、治療薬の基本について

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医薬品

どうも、シンパパ薬剤師Kです。

引き続き心臓について触れていきます。

今回は心不全についてお話しようと思います。

心不全は疾患名ではない

まず、心不全は疾患名ではなく病態です。

様々な原因疾患により、ポンプ機能が低下している状態を心不全といいます。

・進行速度で分類       
→急性心不全・慢性心不全
・低下する心機能で分類 
→収縮不全・拡張不全
・左心右心で分類   
→右心不全・左心不全 

こんな感じに分類されます。

心不全の主な原因

心不全の主な原因は、

・虚血性心疾患
・高血圧
・弁膜症
・心筋症

が挙げられます。

他にも糖尿病やアルコール、抗がん剤、肺疾患が原因になることもありますが、前述した4つが多くを占めるそうです。

生活習慣病の終点のひとつですね。
自覚症状がないからといって高血圧や脂質異常症、糖尿病の治療をサボったりすると気が付いた時には心不全になってしまう可能性があります

K
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一概には言えませんが、生活習慣病の方は服薬コンプライアンスが良くない傾向にあります。お薬を渡すときには継続の必要性を軽く伝えるように心がけてます。

心不全の症状

左心不全と右心不全で表れる症状が違います。

左心不全になると、全身に血液が行かなくなり肺に血液が滞る状態になります。

①全身に血液が行かないと表れる症状

・動悸、息切れ
・冷や汗
・尿量減少
・低血圧、意識障害 など

②肺うっ血による症状

起坐呼吸
・労作性呼吸困難
・発作性夜間呼吸困難
・肺野に水泡音(コース・クラックル)
・ピンク色泡沫状痰 など
K
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心不全患者が仰向けの姿勢になると肺うっ血が悪化して呼吸困難が増悪します。上体を起こすと呼吸困難が改善するため坐位になります。このことを起坐呼吸といいます。

右心不全になると、肺に血液が行かず全身に血液が滞る状態になります。
右心不全の多くは左心不全に続発します右心不全が進行すると肺うっ血の所見はあまり目立たなくなります肺うっ血の所見が目立たなくなったからといって良くなったと勘違いしないように注意が必要ですね。

右心不全による症状

・浮腫、体重増加
・悪心、嘔吐、食欲不振
・腹水による腹部膨満感 など

浮腫なんかは心不全の代表的な症状ですね。

しかし、先程説明した通り浮腫が出てる患者さんは既に左心不全になってる可能性が高いのでここまで来ると結構病状が進んでる方かもしれないですね。

前負荷と後負荷

これは文字通り、心臓の前と後ろの負荷の事ですね。

前負荷は、心臓への血流量が多いと増大します。原因は浮腫などの体液増加ですね。

後負荷は、心臓が血液を送り出す時に必要な負荷(力)の事です。単純に血圧が高いと増大します。

前負荷、後負荷のバランスを考えながら治療を行います。

心不全の分類と適した治療薬

心不全の分類と治療薬について表にしてみました。

心不全で良く用いられる分類は下の2つです。

NYHA分類
AHA/ACC stage分類

この表は薬剤師国家試験でも重要な知識です。

薬学生は「無症状患者に投与出来る薬はどれか」を確実に覚えておきましょう。

ただ、最近では元々糖尿病治療薬であった「ジャディアンス」や「フォシーガ」といったSGLT-2阻害薬ARNYと呼ばれるエンレストも心不全に対して良く使われるようになってきています。

治療薬については基本的なことは大きく変わらずとも、使われる薬に関しては近年変化をしているように感じます。
上記の表は薬学生や薬剤師なら一度は見たことのあるものですが、高血圧の治療や糖尿病の治療が一緒に行われることが多いので単純なものではありません。

特にβ遮断薬やジゴキシン、利尿薬の使い方は処方医によって個人差が結構あるように感じますし、心疾患は煩雑な病態が多いのでテンプレートのような薬の使い方はないのかもしれません。

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