【明日から薬局で使える】刺激性下剤:プルゼニド・ラキソベロンの比較

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医薬品

どうも、シンパパ薬剤師Kです。
ご高齢の処方に良く紛れ込んでいる下剤。
とりあえず酸化マグネシウム」ってな感じで、腹筋が弱ってきた高齢患者さんには良く出てますよね。(笑)

こないだ「プルゼニドとラキソベロンって何が違うんだっけ?」ってふと思ったので調べてみました。
今回はそのプルゼニドとラキソベロンを比較していこうと思います。

プルゼニド(センノシド)

プルゼニドは服用後 8~10 時間で大腸の蠕動運動を促して効果を示すため、就寝時に服用すると起床後に効果が得られる。

用量は通常成人 1 日 1 回 12~24 ㎎を就寝前に経口投与で、高度の便秘には1 日 48㎎まで増量することができます。
小児には使用経験がなく現状適応がありません

作用機序は、胃や小腸で吸収されずに大腸で腸内細菌により分解されたのち、代謝されて産生するレインアンスロンによるものです。このレインアンスロン大腸を刺激して蠕動運動を促進する事で排便を促します。

添付文書やインタビューフォームに他の薬との相互作用の記載はなく、あまり併用薬を気にしないで使えますね

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服用していくことで耐性が出来るため効きづらくなります。
必要な状況に応じて使うことを患者さんに説明しましょう。

ラキソベロン(ピコスルファート)

ラキソベロンは、効果の発現時間自体はプルゼニドと同等で1日1回服用ですが、就寝前の記載がなく1日の好きなタイミングで服用することができます
また、ピコスルファートには小児適応があり、年齢や体格、症状に合わせて細かい用量設定が可能です。
剤刑も錠剤に加えて液剤もあるため、プルゼニドより臨機応変に対応できますね。
液剤の用量は、成人だと通常10~15滴で年齢などにより適宜増減可能です。
なんと6か月以下の用量も設定されているので赤ちゃんにも使えます。
錠剤の用量は、成人だと通常2~3錠7~15歳には2錠と設定されています。7歳未満は液剤一択ですね。

ラキソベロンも併用薬は特に問題になりません。
副作用は、試験データにより誤差はありますが大体1~5%程度で、主な症状が腹痛や吐き気などの消化器症状です。

インタビューフォームによると、ラキソベロン内用液の配合変化は、基本的になにかと混ぜても問題ないようです。一部見た目やpHに影響が出る物もあるようですがオレンジジュースなどに混ぜても大丈夫そうです

ラキソベロンは、プルゼニドと同様に胃や小腸ではほとんど作用せず、大腸細菌叢由来の酵素アリルスルファターゼにより加水分解されて活性型のジフェノール体となって効果を示します
プルゼニドと同様に大腸を刺激する作用を持ちますが、それに加えて大腸における水分吸収を阻害する作用も持っています。

ラキソベロンにも耐性が生じますが、プルセニドよりは耐性が出にくいとされています。

他にも注意したい点は、大腸検査前の処置に使った際に虚血性大腸炎腸閉塞による腸管穿孔が生じる恐れがあるため、下記の注意喚起がされています。

(1)本剤を大腸検査前処置に用いた場合、腸管蠕動運動の亢進により腸管内圧の
上昇を来し、虚血性大腸炎を生じることがある。また、腸管に狭窄のある患者で
は、腸閉塞を生じて腸管穿孔に至るおそれがあるので、投与に際しては次の点
を留意すること。(「重大な副作用」の項参照)
1)患者の日常の排便状況を確認し、本剤投与前日あるいは投与前に通常程度
の排便があったことを確認してから投与すること。
2)本剤投与後に腹痛等の異常が認められた場合には、腹部の診察や画像検
査(単純X線、超音波、CT等)を行い、適切な処置を行うこと。
(2)自宅で本剤を用いて大腸検査前処置を行う際には、副作用があらわれた場合
に対応が困難なことがあるので、ひとりでの服用は避けるよう指導すること。
(3)本剤を大腸検査前処置に用いる場合は、水を十分に摂取させること。
(4)本剤を手術前における腸管内容物の排除に使用する場合は、必要に応じて浣
腸を併用すること。

ラキソベロン インタビューフォーム/帝人ファーマ株式会社

まとめ

・プルゼニドは大腸刺激作用をもつ
・ラキソベロンは大腸刺激作用に加えて大腸の水分吸収阻害作用も持つプルゼニドは寝る前に服用・ラキソベロンはどのタイミングでもOK!両剤とも併用薬はあまり気にしなくて大丈夫両剤とも作用時間は8時間前後両剤とも耐性を生じるがラキソベロンの方が生じにくいラキソベロンには液剤があり、小児にも使える
・ラキソベロン内溶液の配合変化は基本的にジュースなどに混ぜても問題ない

意外にも下剤は種類が多いので、次回以降も下剤についてまとめていこうかと思います。

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