癲癇(てんかん)とは?免許は取れる?効かない場合に薬はどう変える?

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医薬品

どうも、シンパパ薬剤師Kです。

今回は癲癇の薬物治療の基本について説明します。

癲癇(てんかん)とは

癲癇(てんかん)は全人口の約1%に認められ、日本には100万人ほどの患者がいるとされています。
幼少期に発症することが多く大体20歳までに発症するが、稀に脳の器質的異常によって高齢で発症することもあります。

大脳ニューロンの過剰な働きによって発作を繰り返す疾患で、癲癇(てんかん)と診断されるという事は患者にとって様々な制限など大きな意味を持つ事になるので、専門医による慎重な診断が望まれます。

免許は取れる!

2002年までは癲癇患者は一律で免許の取得が不可能でした。
そう、2002年までは!!

2002年6月に道路交通法が改正され、条件がそろえば癲癇患者も免許が取得可能になりました!

1,発作が過去5年間以内に起こったことが無く、医師が「今後発作が発生する恐れが無い」旨の診断を行った場合

2,運転に支障をきたす発作が過去2年以内に起こったことが無く、医師が「今後、○年程度であれば発作が発生する恐れが無い」旨の診断を行った場合

3,2の条件をクリアした上で、1年間の経過観察の後、医師が「発作が意識障害及び運動障害を伴わない部分発作に限られ、今後も悪化の恐れが無い」旨の診断を行った場合

4,2年間の経過観察の後、医師が「発作が睡眠中に限って起こっており、今後悪化の恐れが無い」旨の診断を行った場合

「2年間の発作無し」は最低条件ですね。
列挙すると中々に高いハードルですが、交通事故は自分の命も他人の命も失ってしまう可能性があるので運転するという事に大きな責任が伴います。
自分ではどれだけ気を付けていても癲癇発作は自分の意思だけでコントロール出来るものではありません。

免許取得の際に申告しなければバレずに取得できるとは思いますが、ちゃんと申告せずに癲癇発作が原因の交通事故を起こすと自動車保険は使えない可能性があります。(正直に言っていないと保険が使えないどころか、民事・刑事の責任が加重されます)

長期に渡って癲癇発作のコントロールが不可欠なので、普段からしっかりと薬物治療を行いましょう。

癲癇の分類

癲癇は発作型によって分類されます。
部分発作全般発作に大きく分けられ、主な分類は下記の表を参照してください。

癲癇の薬物治療

癲癇の治療を行う際は、発作が本当に癲癇発作なのか慎重に鑑別する必要があります。
「2回目の発作が無くても明らかな癲癇であると診断された場合には初回発作後でも薬物治療の開始が可能」とされています。

治療の目的は「癲癇発作の抑制」であり、癲癇そのものを治す治療ではありません。

7割ほどの患者さんは薬物治療でコントロールできるが、2~3割の患者さんは難治性で薬物治療が無効とされています。

原則単剤から治療を行い、副作用の発現に十分注意しながら低用量から開始し、副作用の発現と発作の状況を見ながら適正な間隔で増量していきます。

単剤で効果が出ない場合は??

最大用量まで増やした単剤で効果が出ない場合は、他の抗てんかん薬の併用ではなく、発作型の再診断や薬物治療の状況を確認します。
コンプライアンスや血中濃度にも問題が無い場合は、併用ではなく他の抗てんかん薬に変更し単剤での治療を優先します

2~3種類の抗てんかん薬で単剤治療を行っても奏功しない場合には併用療法へ移行します。
併用をする場合は異なる作用点の抗てんかん薬の選択が望ましいとされています。

第一選択は?

抗てんかん薬は近年様々な作用点の薬剤が増えてきましたが、ガイドラインにおける第一選択薬はエビデンスの多さもあり部分発作に対してはカルバマゼピンで、全般発作に対してはバルプロ酸ナトリウムです。

バルプロ酸ナトリウムは血中濃度50~100μg/mL、カルバマゼピンは血中濃度4~12μg/mLを目標に用法用量を設定します。
ガバペンチン、ラモトリギン、トピラマート、レベチラセタムの有効血中濃度はまだ確立していません。

薬剤の特徴や比較は次回まとめていこうと思います。

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