どうも、シンパパ薬剤師Kです。
ワーファリン服用患者に納豆とクロレラは禁忌ですが、他の野菜などによるビタミンKはどれくらいまでなら許容できるのか調べてみました。
ワーファリンとビタミンKの関係性
まずはワーファリンとビタミンKの関係性について説明します。
この関係性は作用機序をみれば簡単に理解できます。
体内には血液凝固に関与する血液凝固因子という物質があります。
その内ビタミンKを必要とするものが、血液凝固因子Ⅱ、Ⅶ、Ⅸ、Ⅹ(2,7,9,10)です。
ワーファリンはビタミンKと競合的にこれらを阻害することで血液凝固を抑制します。
簡単に言うとビタミンKは血液凝固を促進する作用があり、それを抑えるのがワーファリンという関係性です。
以前取り上げたDOAC(新規経口抗凝固薬)の作用機序にはビタミンKが関与しないので、ビタミンKの摂取量とDOACの効果に直接的な関係はありません。
その為、DOAC服用中の患者はビタミンKを多く含む食材が禁忌では無いのですが、ビタミンKそのものが血液凝固を促進する事を考えるとビタミンKの摂取量は気にかけたほうが良いでしょう。
ビタミンKはどれくらい摂ってもいいのか
それでは本題の「ワーファリン服用中にどれくらいビタミンKを摂ってもいいのか」というお話に移ります。
ビタミンKの摂取量が0.25g(250μg)/日であれば影響がないという報告もありますが、かなり個人差があるというのが分かっています。
また、1日だけ250μg摂る場合といつも100μg摂る場合は凝固能への影響は少なく、連日250μg摂るのが問題であるという報告もあります。
様々なデータがありますが、0.25g(250μg)がひとつの目安になってきます。
成人の平均摂取量は200μg程度なので普通に食事をとっている分には問題ないかと思いますが、納豆は厳禁です。
その他、緑色の野菜には注意が必要です。
納豆は少しもダメ?
納豆は1パック240μgのビタミンKが含まれているといわれています。
「じゃあ食べても平気じゃない?」って思うところなんですが、納豆は少量でもダメです。
納豆は納豆菌によってビタミンKを産生してしまうので、実際に接種した量より多くビタミンKが体内に存在してしまいます。
腸内細菌の環境によって産生するビタミンKの量は異なりますので個人差が出てきます。
10gの摂取でも体内のビタミンKに影響が出る為食べないようにしましょう。
ちょっとくらいなら大きな問題になる事は殆ど無いとは思いますが、添付文書で禁止されている以上食べないようにしましょう。
野菜ジュースは飲んでも平気?
野菜ジュースに含まれているビタミンKは大体20μg程度のようです。
ですので、野菜ジュースは毎日飲んでも大丈夫です。
全くビタミンKを摂らない事がベストという訳でもありませんし、食事である程度摂取してしまうので野菜ジュースの20μg程度であれば差支えないでしょう。
緑茶は飲んでもいい?
緑茶は茶葉にビタミンKを多く含んでいますが、ビタミンKが脂溶性のため浸出液(お茶)には殆ど出てきません。
ですので、普通に緑茶を飲むのは問題ありません。
ただし、抹茶や粉の緑茶は茶葉を接種することになるので注意が必要です。
摂取の量に波があると良くない?
ワーファリンはPT-INRを見てその人に合わせた用量調節をするので、いつも同じ量のビタミンKを接種していれば先生の設定してくれた治療効果から逸脱することは考えにくいと思います。
とはいえ、ビタミンKの接種があまり多すぎると必要以上にワーファリンの量も多くなってしまいますし、血液凝固能が上がることに変わりないのでいつも同じ量だから減らさなくて良いという訳ではありませんのでご注意ください。
ワーファリンは基本的に飲み続ける薬ですので、うっかり納豆を食べてしまったり、なにかしらイレギュラーが発生することもあると思います。
気になる事が起きたらすぐに医師、薬剤師に相談するように患者さんに伝えましょう。
コメント