薬学生、薬剤師は覚えておきたい浮腫と脱水のこと

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検査値

どうも、シンパパ薬剤師Kです。

今回は薬剤師国家試験で問われる浮腫と脱水についてです。
薬剤師になってからも覚えておきたい内容ですのでおさらいしていきましょう。

浮腫

浮腫は脱水に比べて国家試験で問われる可能性が高いです。
臨床においても、様々な疾患や薬剤による浮腫の発現をよく目にしますのでしっかり抑えておきましょう。

浮腫の概要

浮腫は間質液の増加と定義されています。
血管内圧の上昇やネフローゼ症候群などによりアルブミンが低下することで血管内の膠質浸透圧が低下して水が血管から漏れ浮腫が生じます。
甲状腺機能低下症で認められる粘液水腫では圧痕を認めないのでチェックしておきましょう!

浮腫の種類と原因

浮腫には、局所的な浮腫(局所性浮腫)全身的な浮腫(全身性浮腫)があります。
それぞれ原因が異なりますので原因も併せて覚えておきましょう。

局所性浮腫の原因

・静脈やリンパ管の閉塞によるもの
・リンパ性浮腫:リンパ管の閉塞や悪性腫瘍の転移
・血管性浮腫:静脈瘤やARB、ACE阻害薬の内服
・打撲や骨折などのケガによる炎症

全身性浮腫

全身性浮腫は主に心疾患、腎疾患、肝疾患、栄養障害によるものが多い
・うっ血性心不全
・肝性浮腫:肝硬変、門脈圧亢進、アルブミン合成能の低下
・腎性浮腫:ネフローゼ症候群、腎炎、腎不全
・甲状腺機能低下症
・薬剤性浮腫:経口避妊薬(女性ホルモン剤)、血管拡張薬抗炎症薬
・低栄養性浮腫:低アルブミン血症、低栄養状態

良く使われる薬剤であるニフェジピンやロキソプロフェンなどで浮腫が発生するケースがあります。
心疾患がある患者は、ロキソプロフェンをむやみに服用しないほうがいいという意見もあるので注意しましょう。

脱水

人の水分60%の内、40%が細胞内液20%が細胞外液です。
細胞内液にはK(カリウム)が、細胞外液にはNa(ナトリウム)とCl(クロム)が多く含まれているという事も確実に抑えておきましょう。

脱水には、等張性脱水、高張性脱水、低張性脱水の3種類がありますのでそれぞれの特徴を見ていきましょう。

等張性脱水

・水とNaが同じ割合なので、血清Na濃度は正常
・出血や熱傷などで急激に細胞外液が失われることが原因

高張性脱水(=Naが濃い)

・水欠乏性脱水ともいう
・Naより水が多く失われた状態で、細胞外液が濃くなっているため細胞内から細胞外へ水の移動が起きる(細胞外液を薄める為)
・血清Na濃度は高い

~主な原因~
・水分摂取不足
・腎外性体液喪失:軽度の下痢、発熱、発汗
・腎性体液喪失:糖尿病などによる浸透圧利尿、尿崩症

低張性脱水(=Naが薄い)

・水よりNaが多く失われた状態で、細胞外液が薄くなっているため細胞外から細胞内へ水の移動が起きる(細胞外液を濃くする為)
・血清Na濃度は低い

~主な原因~
・腎外性体液喪失:嘔吐や下痢、高度な発熱
・腎性体液喪失:利尿剤服用によるもの、副腎機能不全(アジソン病)
・血管外への体液移行:腸閉塞、熱傷による浮腫

個人的ポイント

個人的には薬剤師として薬剤が原因になるものに対して敏感になっておきたいと考えています。
併用薬などからホルモン剤、降圧剤、NSAIDsによる浮腫や、糖尿病患者(特にSGLT-2阻害薬服用中)や利尿薬による脱水にはピンとこれるようになりましょう。

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