どうも、シンパパ薬剤師Kです。
だいぶ前の話ですが、ヘパリン類似物質(ヒルドイド)が市販で出ましたねぇ。
市販薬でヘパリン類似物質が出たけど、病院で貰うのと違うのかな?
そもそも効果あるのかな?
なんて声もあるんじゃないかと思い、調べたことと個人的な意見を混ぜてお話ししていこうと思います。
ヘパリン類似物質とは
そもそも有効成分であるヘパリン類似物質とはなんでしょう。
・ヘパリン類似物質 ヘパリンの誘導体で、グリコサミノグリカンの一種。 薬効は、皮膚保湿・血行促進・抗炎症作用などがある。
グリコサミノグリカンには、ヒアルロン酸やコンドロイチンなども含まれます。
「皮膚科で保湿剤といえばヘパリン類似物質!」というくらい広く使われています。
市販されているヘパリン類似物質
・ザーネメディカル スプレー、クリーム /エーザイ ・ヒルマイルド 油性クリーム、ローション/健栄製薬株式会社 ・ヘパコート クリーム/ドクターシーラボ ・HP ローション・クリーム/グラクソ・スミスクライン ・Carte HD(カルテヒルドイド) クリーム・化粧水・乳液・オールインワンゲル/コーセーマルホ ・Saiki ローション・乳液/小林製薬 ・ヒフメイド 油性クリーム・乳液/ジャパンメディック ・ヒルメナイドローション・油性クリーム/マツモトキヨシ ・Minahada保湿乳液 /ミナカラ
順不同
ざっと調べただけでもこれくらいあります。
調べたけどヘパリン類似物質の濃度が記載されていないものは省いています。
濃度・含有量の表示がない商品
これはヘパリン類似物質に限った話ではないんですが、濃度や含有量の記載がない商品ってあるじゃないですか。例えば、ちょっと前の話だとアルコール消毒液とかでも書いてないのありましたね。
正直、含有量とか濃度を書いてないものは怪しいです。
多く入ってたり、医療用と同じ量入っているのであれば目立つように記載すると思うので、書いてない商品は含有量が少ないんじゃないかと疑っていいと思います。(ただ単純に書いてないだけの商品もあるとは思いますが、、)
気になったので、濃度の表示がない商品のメーカーに問い合わせしてみました。
メーカー名は伏せますが、頂いた回答は「医療用の0.3%より少し少ない含有量となっております」とのことでした。
ヘパリン類似物質の薬効
皆さんご存じかもしれませんが、ヘパリン類似物質の薬効は、保湿作用、血行促進作用、抗炎症作用です。
保湿作用
保湿が肌にとって重要だという事は当然のことですね。
肌の一番外側にある角質層は角質と細胞間脂質によって構成されています。
細胞間脂質とは、角質と角質の間を満たしている脂質です。スキンケアの話でセラミドって聞いたことありますか?セラミドも細胞間脂質のひとつです。このセラミドは肌の水分を維持するのに重要な役割を担っています。
しっかりと保湿することでセラミドを肌に閉じ込め、肌の水分を保つことができます。
血行促進作用
血行を促進する事によって肌のターンオーバーが促され新陳代謝がよくなったり、細い血管まで酸素などの栄養を行き渡らせることが出来ます。
新陳代謝が悪いと古い角質が入れ替わらないので、肌のたるみや乾燥の原因になります。
血行促進はしわの改善にもつながります。
抗炎症作用
抗炎症作用は説明不要ですね。
肌荒れで起きた炎症を改善してくれます。
ヘパリン類似物質は、肌の角質層の奥まで届きく特徴も持っています。
また、子供の顔に使うと血行促進作用のせいで顔が赤らめてしまう事があります。目の充血の原因にもなるので、無意識に目を掻いてしまう子供にはあまり使わないほうが良いとお考えの医師、薬剤師の先生方も多くいらっしゃいます。
ヘパリン類似物質の剤形
ヘパリン類似物質の市販薬は大きく分けて、クリームとローションの2つですが、更に細かく分けることが出来ます。
スプレータイプは化粧水タイプと同じ質感だと思います。
また、例外的なのがCarte HD(カルテヒルドイド)のオールインワンゲルです。
分類が難しいので表には入れてませんが、ローション側に分類されると思います。
水性クリームと油性クリームの違いは、簡単に言えば水が多いか油が多いかの違いです。
浸透しやすいのは水性クリームで、保湿力が強いのは油性クリームというイメージです。
結局、ヘパリン類似物質は優れているのか
最終的に気になるのはここですよね。
ここからは個人的な意見になります。
医療用医薬品としてヘパリン類似物質が認められていることを考えれば、薬効は間違いないと思います。
強さは別として「効果がある」という事に関しては信用していいです。
ただ、スキンケアの商品って安いものから高いものまで沢山ありますよね。
肌トラブルの原因も様々ですし、肌の個性も様々です。
スキンケアの商品って、顔の肌の性質に特化した研究をして作られているんですが、ヘパリン類似物質ってそもそも顔の美容に対して作られたものじゃないって所が個人的に気になっているポイントです。
確かに、保湿・血行促進・抗炎症の効果は実験で効果が確認出来てますが、実験体ってウサギとかモルモットの肌ですよ?
「体の中でも特に敏感で弱い肌にそのままその結果を適用していいの?」って思いません?
僕は「顔の美容に特化して研究したものの方が効果期待できそうだな」って思ってます。
もちろん、市販薬を販売するにあたって改めて研究して作られてはいますが、「ヘパリン類似物質が入ってればいいでしょ」って側面もあると思います。
ヘパリン類似物質を日ごろのスキンケアに使うのであれば、ヘパリン類似物質の「浸透しやすい」という特徴を生かせる使い方をすると効果的なのではないかと思いました。
結論、ヘパリン類似物質が他の美容成分より優れているとは言えないというのが僕の考えです。
これを言ったら元も子もない気もしますが、多種多様で敏感な顔の肌に「これが正解」というものはないです。今使っているものが自分の肌に合っているのであれば変えない方が良いと思います。
自分の肌に合うものを探している方は、試しにヘパリン類似物質含有製品を使ってみるのもいいと思います。
お勧めする、または自分が買うならこの商品!
先程もちらっと言いましたが、ヘパリン類似物質を有効に使うなら浸透させるものを選ぶのが良いと思います。
浸透力が高く血行促進や抗炎症作用があるのに、肌の上に膜を張る役目を任せるのってあんまり意味なさそうですよね。これも完全に僕の個人的な考えですけど(笑)
であれば、やはり化粧水かオールインワンゲルが良いのかなと思います。
クリームに分類されるものは、顔に使うというより手とかに使う方が向いているんじゃないかと感じます。
皮膚科の門前で薬剤師をしている経験上、そんな感じがします。
Carte HD(カルテヒルドイド)/コーセーマルホ
僕が買うならこれ一択かなって思っています。
このCarte HD(カルテヒルドイド)を作っているコーセーマルホというメーカーですが、化粧品で有名のコーセーと医療用の先発品ヒルドイドを作っているマルホが合同で作った会社です。
ヘパリン類似物質の成分に関しても信用がおけますし、それ以外の成分はコーセーなので勿論安心して使えます。
更にめんどくさがりにはうれしいオールインワンゲルがあります。僕はこれが一番欲しいです!
今使っているオールインワンゲルが肌に合っている気がするので買う機会が今のところないですが、今度試しに買ってみようかなあ。。
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