今日は検査値の一つであるAMY(アミラーゼ)について解説していきます。
AMY(アミラーゼ)とは
AMY(アミラーゼ)は主に唾液腺と膵臓に存在する多糖類を加水分解する消化酵素で基準値は44~132U/Lです。
代謝と排泄は腎臓によって行われるので、唾液腺・膵臓・腎臓の障害で数値は上昇します。
AMY単独では病態を診断することは殆ど不可能なので障害の重症度に使われたり、アイソザイムを調べることでAMYが高くなっている原因を探るのに活用されます。
幼児はAMYが少ない
AMYは10歳にかけて上昇していきます。新生児では成人の1/10程度しかありません。
痩せている方が数値が高い
AMYは肥満の人より痩せている人の方がおよそ2割程度数値が高いと言われています。
ですので生活習慣を見直したりダイエットして体重を落とすと数値が上がるので覚えておくとよいでしょう。
AMYのアイソザイム
AMYにはアイソザイムが存在し、唾液腺で分泌されるS型アミラーゼと膵臓で分泌されるP型アミラーゼがあります。
このアイソザイムの上昇具合を見ることで体のどこで異常が起きているのか推察が出来ます。
🔶S型アミラーゼが上昇する疾患 外傷(外科的手術など)、肺がん、流行性耳下腺炎など 🔷P型アミラーゼが上昇する疾患 急性慢性膵炎、膵臓がん、胆道系疾患など ◇どちらも上昇する疾患 腎障害、肝障害など
肝機能の数値と一緒に上昇しているときは
AMYは膵臓の障害で上昇します。
肝機能の数値、主にASTが一緒に上昇しているときは飲酒による上昇の可能性が考えられます。
AST/ALTが1を越えていたら飲酒状況を患者に伺いましょう。
まとめ
・AMYは唾液腺や膵臓から分泌される消化酵素 ・基準値は44~132U/L ・唾液腺からはS型アミラーゼが、膵臓からはP型アミラーゼが分泌される ・唾液腺、膵臓の他に主に腎臓にの障害でも上昇する ・AMY単独では細かな病態の特定は難しい ・新生児では成人の1/10程しかなく10歳くらいで成人とほぼ同程度になる ・肥満体型よりやせ型の方がAMYは高い数値を示す
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