どうも、シンパパ薬剤師Kです。
今回は乳がん治療薬であるノルバデックス(タモキシフェン)とアリミデックス(アナストロゾール)を比較します。
商品名が似ている2剤ですが作用機序が異なります。
パッと見同じ作用機序っぽい名前だからややこしいですよね。
適応が異なりますので、この2剤の使い分けはしっかり頭に入れておきましょう!
簡単なまとめ
初めに結論をざっくりとお話しします。
・閉経前後で使えるノルバデックス(タモキシフェン) ・閉経後にだけ使えるアリミデックス(アナストロゾール) ・閉経後はアリミデックスの方が効果が高い ・アリミデックスはSERMとの併用で効果が下がるため基本併用しない
作用機序・適応
ノルバデックスはSERMと呼ばれる種類の薬で、ビビアントやエビスタと同じ種類の薬です。
エストロゲン受容体を遮断する作用を持つので、閉経前後に関係なく乳がんに対して効果を示します。
アリミデックスはアンドロゲンをエストロゲンに変換させるアロマターゼを阻害します。
閉経後は卵巣からのエストロゲン分泌が減って、それを補うようにアンドロゲンからエストロゲンを生成するのでアリミデックスは閉経後にのみ適応があるという訳です。
作用機序は異なるが併用はしない
これらの薬は作用機序が異なる薬することで副作用が増え、効果も低下する事が報告されているので併用はしないように注意喚起されています。
用法用量
・ノルバデックス(タモキシフェン)
タモキシフェンとして20mgを1日1回経口投与する。適宜増量できるが1日最大量は40mgとする。
・アリミデックス(アナストロゾール)
アナストロゾールとして1mgを1日1回経口投与する。
閉経後に対してはアリミデックスの方が高い効果を期待できる
閉経後の乳がんに対してはどちらも効果がありますが、アリミデックスの方が高い効果が期待出来て、服用後の効果も長続きする報告があります。
死亡率の低下なども報告されているため、閉経後の乳がんにはアリミデックスが選ばれることが多いようです。
副作用
ノルバデックスの副作用は使用実績調査で8.29%報告されており、主な副作用は女性生殖器系(3.18%)と胃腸系障害(1.51%)です。
アリミデックスの副作用は使用実績調査で10.2%報告されており、主な関節炎や肝機能異常、ほてりが1%程の確率で報告されています。
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