どうもシンパパ薬剤師Kです。
患者さんによく「この薬とこの薬はどっちが強いの?」なんて聞かれることありますよね。
今回は高血圧によく使われるARBとCa拮抗薬について考えていきたいと思います。
ARB vs Ca拮抗薬
ARBとCa拮抗薬を比較した論文などをいくつか見ると、基本的には「ARBよりCa拮抗薬のほうが降圧作用や心血管イベント抑制効果が強い」というものがほとんどです。
高血圧に対してARBやACE阻害よりCa拮抗薬が優先されるのはそれらの為だと考えられます。
アジルバ vs ノルバスク
ここでひとつ気になったのが、「ARB最強のアジルバならいい勝負するんじゃない?」ということです。
少し探したところ、循環器トライアルデータベースでACS1という論文を見つけました。
かみ砕いて説明すると、収縮期血圧が140~179の20歳以上を対象とし、アムロジピン5㎎とアジルバ20㎎を他の降圧剤の併用なしの単剤治療を8週間行った試験といった感じです。
結論、アジルバよりノルバスクのほうが降圧作用も血圧コントロールも高かったという結果が出ています。
両者間において優位な差が出なかった項目もあるので圧倒的な差というほどではありませんが概ね「アジルバ20㎎<アムロジピン5㎎」という結果でした。
添付文書とIFのデータを比較してみた
添付文書とインタビューフォーム(IF)に降圧作用が載っているのでそちらも比較してみました。
患者背景が異なる直接比較している試験ではないので参考程度ですが、アムロジピン10㎎を52週間投与した場合は収縮期血圧を15.6mmHg低下、アジルバ10~40㎎を52週間投与した場合は収縮期血圧を23.4mmHg低下というデータが載っています。
これだけを見るとアジルバの降圧作用がアムロジピンの降圧作用に劣っている訳ではなさそうに感じますね。
結論
個人的な考えですが、一概に「アジルバ<アムロジピン」という訳でもないのかなという風に感じました。
高血圧を治療する際の最終目的自体がそもそも人によって異なりますし、作用点が異なるので同種同効薬より個人差が出やすいのではないかという点もこの比較を難しくしている要因だと思います。
基本「ARB<Ca拮抗薬」という認識は正しいと思うのですが、やはりアジルバに関しては「アジルバ≦(or ≒)Ca拮抗薬」という印象を受けました。
患者さんに「アジルバとアムロジピンどっちが強いのか」と聞かれた場合は「作用点が異なりますし個人差は在りますけど概ね同じくらい」と僕は答えるかなあ。
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