治療薬がない心不全?駆出率が保たれたHFpEFについて考えてみた!

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疾患

はじめに

最近心不全について勉強しているんですが、どうも勉強すればするほど分からないことが増えていく沼にハマってしまったようでブログにまとめられるほど頭の中で整理が出来ない状態でした。。

なので今回はHFpEFについて調べたことを基に考えた個人的な考察をまとめていこうと思います。

HFpEFの病態・状態

左室駆出率(LVEF)が保たれた心不全であるHFpEF(ペフ)。
このHFpEFがどういった状態なのかをおさらいしましょう。

そもそも心不全というのがどういった状態かというと「心拍出量が十分に保てていない状態」でその為に様々な代償反応により心機能が更に低下していく状態です。この心拍出量には左室駆出率(LVEF)が大きく関与します。

HFpEFは「左室駆出率(LVEF)が保たれているのに十分に血液が送れていない」ということですので、左室に溜められる血液量が少ないと考えられます。
これらのことから「HFpEFは拡張機能障害の心不全」と言われています。

HFpEFの原因

ではなぜHFpEFになるのかということを考えてみましょう。
左室が拡張機能障害に陥る原因を探ればHFpEFの原因が見えてきます。
拡張機能障害を一言でいえば、「左室が固くなって広がれない」という事です。
主に後負荷によって心筋が肥大して固くなったり加齢によって線維化することで拡張機能障害が生じるとされています。

HFpEFの原因は拡張機能障害だけではない

HFpEFの病態はこれらの拡張機能障害だと説明しましたが、根本的な原因が左室に溜められる血液量(左室拡張末期容積)が少ないことだと考えると左室の拡張機能障害だけが原因とは限らないんじゃないかと思ったんですね。

左室血液量(左室拡張末期容積)が少ない理由

左室が広がらないこと以外に左室拡張末期容積が低くなる原因と聞かれて何か思い当たることはありますか?
主に考えられるのは、そもそも肺静脈からの還流量が少ないこと左心房から左心室への流入に問題があるという事じゃないでしょうか。
肺静脈からの還流量が少ないという事に関しては肺静脈還流異常症ですので心不全を考える上では一旦除外します。

では左心房から左心室への流入に異常が出るのはどんな時でしょう?
考えられるのは僧帽弁が硬くなっている僧帽弁狭窄症や、房室が小さくなっている場合流入に必要な房室間の圧力差が無い状態などかと思います。

生命予後を改善する治療法が確立していない理由

ここからは何故HFpEFに対して生命予後を改善する治療薬が確立していないのかを考えてみましょう。これ以降の話は個人的な見解が多く含まれますので、一つの意見として読んでください。

硬化したら元に戻りにくい

拡張機能障害の原因として心臓の線維化やコラーゲンの蓄積、加齢などが挙げられます。
加齢が原因の症状は薬でどうこうできるものじゃないですよね。若返りの薬はないですから。
また線維化した臓器を戻すのもかなり難しいと思います。線維化の進行を抑える薬はあっても線維化したものを元に戻せる薬は今現在ありませんよね。

僧帽弁の硬化は薬で治らない?

僧帽弁狭窄症の治療を見ると、弁に対する外科的な治療と心臓の負担を減らす内科的な治療が記載されています。
治療薬はあくまでも心臓の負担を減らすことが目的で弁の器質的な問題を改善させるわけではなさそうです。なので弁の硬化を改善させるには薬ではなく外科的な処置が必要なのかも、、?
このあたりもHFpEFの薬物治療が確立されていない理由に絡んできそうですね。

まとめ

・HFpEFは拡張機能障害の心不全と言われている
・HFpEFは左心室の血液量(拡張末期容積)の低下が原因と考えられる
・加齢や心臓の線維化、コラーゲンの蓄積が拡張障害の原因
・他にも左心房から左心室への流入障害がHFpEFの原因として考えられる
・HFpEFの治療法がないのは心臓の線維化や弁の硬化は薬で治すことが困難という事が原因かも
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