虚血性心疾患とは?どう分類される?狭心症と心筋梗塞の違いとは?

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疾患

今回は循環器疾患の中で、虚血性心疾患にフォーカスを当ててまとめていこうと思います。
初回は虚血性心疾患の基礎について解説していきます。

心不全に関してまとめた記事がいくつかあるのでよかったらこちらもご覧ください。

虚血性心疾患とは

虚血性心疾患とは文字通り心臓が虚血状態、つまり心臓に送られる血液が少ない状態という事です。
冠動脈が狭くなったり(狭心症)、閉塞している状態(心筋梗塞)によって心臓に血液が上手く送れないと心筋が痺れたり心臓が上手く働かなくなります。

主な原因

主な原因は以下の通りです。

・高血圧
・糖尿病
・脂質異常症
・加齢
・家族歴
・肥満 など

これらの原因によって血管内皮細胞に障害が生じて、次第にアテロームやプラークが発生することで血管が狭くなっていきます。

狭心症と心筋梗塞の違い

では狭心症と心筋梗塞の違いとは何でしょう?簡単に解説していきます。

狭心症

狭心症は冠動脈が狭くなっている状態で、閉塞はしていません
その為、胸痛の時間は短く(5~10分程度)、心筋の壊死は無く可逆性の心疾患です。
狭心症の発作はニトログリセリンによって改善します。

狭心症の分類

狭心症は症状が発現する状況安定しているかどうかで分類されています。

症状が発現する状況での分類は、安静時に発現するか労作時に発現するかで分けます。
安静時に発現する狭心症(安静時狭心症・冠攣縮性狭心症)は、通常は血管内に狭窄が起きておらず血管が痙攣することで急に狭窄するタイプの狭心症です。夜間や早朝に起きる傾向があります。

労作時に発現する狭心症(労作性狭心症)は、普段からプラークなどによって血管が狭窄しています。その為心臓は酸素が少ない状態に慣れているので普通に過ごしている限りは胸痛などは発現しません。
運動して必要な酸素が増えると症状が現れるため労作性狭心症と言われます。

安定しているかどうかの分類は緊急な治療を必要とするかで分類されます。
労作性狭心症のように普段は安定していてどのような運動で胸痛などの症状が出るかがある程度わかっているような場合ですと、緊急な治療は必要ありませんので安定狭心症に分類されます。

一方、プラークが破れて血栓を作る状態ですと安静にしていても胸痛などの症状が出てくるようになります。これは放置すると血管が閉塞して心筋梗塞に発展する危険性があるので治療に緊急制が出てきます。このような狭心症を不安定狭心症に分類されます。

心筋梗塞

心筋梗塞は血栓などで血管が閉塞している状態で、狭心症より深刻な状態です。
胸痛発作は狭心症より長く続くことが多く、20分以上続くことが多いです。
また、狭心症と異なりニトログリセリンが効きません

心筋梗塞の分類

心筋梗塞は、時間経過 梗塞の程度 梗塞の部位で分類されます。
時間経過による分類では発症から72時間以内、72時間~1ヶ月、1ヶ月以上の3つに分けられます。

・急性心筋梗塞(AMI):発症から72時間以内
・亜急性心筋梗塞(RMI):発症から72時間~1ヶ月以内
  →リーセントエムアイと呼ぶらしい
・陳旧性心筋梗塞(OMI):発症から1ヶ月以上経過

梗塞の程度による分類では壊死の範囲が心筋の内膜側だけか、外膜側も壊死しているのかで分類されます。冠動脈は心臓の外側を通っているので、先に虚血が進むのは冠動脈から遠い心内膜側です。

心内膜下梗塞:心内膜側のみの心筋壊死
  →「非Q波心筋梗塞」や「非ST上昇型心筋梗塞」とも呼ばれる。
・貫壁性心筋梗塞:内膜側だけでなく外膜側にも壊死が渡っている心筋梗塞
  →ST上昇と異常Q波の発現が見られることより「Q波心筋梗塞」や「ST上昇型心筋梗塞」とも呼ばれる。

梗塞の部位による分類は心筋が壊死する場所で分類されます。
前壁梗塞、後壁梗塞、右室梗塞、側壁梗塞などの分類があり、一番多いのは左冠状動脈前下行枝の詰まりによる前壁梗塞と言われています。

まとめ

・虚血性心疾患とは狭心症と心筋梗塞の総称で心臓への血液が減っている状態
・狭心症は冠動脈の狭窄有り、心筋壊死が無くニトログリセリンが有効
・心筋梗塞は冠動脈の閉塞有り、心筋の壊死が有りニトログリセリンが無効
・狭心症は①症状の出る状況、②安定しているかで分類される
・心筋梗塞は①発症からの時間、②梗塞の程度、③梗塞の部位で分類される
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